東京大学
ライムグリーン一色の表紙
書籍名

正倉院文書目録 七

続々修二
著者名 東京大学史料編纂所 (編纂)
判型など 584ページ
言語 日本語
発行年月日 2015年4月
ISBN コード 978-4-13-091247-1
出版社 東京大学出版会
出版社URL 書籍紹介ページ
学内図書館貸出状況(OPAC) 正倉院文書目録 七 [続々修二]
 本書は、奈良時代の歴史を知るための基本史料である「正倉院文書」について、史料編纂所が進めている原本調査の成果を、史料1点1点の目録の形で刊行しているシリーズの第7冊である。正倉院文書を理解し、研究に利用する上で必要な基本情報を提供することを目的として1986年に刊行を開始し、本冊により全体の40%程度まで刊行が進んだと見込んでいる。
 正倉院文書は、官営寺院であった東大寺に付属する写経所という一つの官司組織で使用・保管されていた書類が、奈良時代の終り頃に不要となり、その後、正倉院の宝庫の中に放置されたまま現代に伝わった史料群である。総点数は1万点以上といわれている。
 お役所で実際に使用されていた書類が、そのままの状態で大量に流出する事態を現代に引付けて言うなら、重大な情報漏洩事案のようなものである。行政の実態からお役人の勤務ぶり、財政事情や、民衆の個人情報などなど、ありとあらゆる社会の実態が流出書類からあぶりだされてしまうかもしれない。どれほどのことが判明するのか、予想もつかないであろう。正倉院文書が今に伝わったことは、それと同じ意味を持っている。正倉院文書が存在することによって、日本では多くの文化的事象について、1200年前まで遡って実態をたどることができる。これは、日本の歴史や文化の源を知る上で大きなアドバンテージとなる。他に類例のない貴重な史料群である。
 ただ、正倉院文書を研究に利用するためには一つハードルがある。それは、今に残る1点1点の書面が、奈良時代に用いられた姿そのままではなく、多くの場合、一つの書類がバラバラとなった断簡の状態になってしまっていることである。そのため、1つの断簡だけでは、書類の全容がわからない。ほかの断簡とあわせて元の書類を復元しなければ、内容を正確に理解し、様々な情報を抽出するという作業を十分に実施することが難しい。
 本書に掲載しているのは、そこで必要となる断簡復元を眼目とした原本調査の記録である。先行する研究や事前の検討を踏まえて、本来は一つの書類だったかもしれない断簡の候補を絞り込んだ上で、原本調査では、それを立証する物的証拠がないか、ほんのわずかな墨や糊、染みの痕も見落とさずに点検する。その調査所見の報告書が本書である。
 保存に細心の注意を要する正倉院文書を、実際に手に取って調べることはめったに認められない。史料編纂所は、明治時代以来、特に認められて調査を続けており、広く学界全体の研究の深化・進展につながる史料情報を提供することに努めてきた。担当者は、責任と緊張を感じつつも、限られた機会に恵まれた幸せを感じつつ調査を進めている。『正倉院文書目録』の文面は無味乾燥と言わざるを得ないが、担当者の1200年の時を超えて馳せる熱い思いも込められている。

(紹介文執筆者: 史料編纂所 教授 山口 英男 / 2016)

本の目次

 第壱帙  写経類集
  第五帙  法華経
続々修正倉院古文書  第五帙  第壱巻
続々修正倉院古文書  第五帙  第弐巻
続々修正倉院古文書  第五帙  第参巻
続々修正倉院古文書  第五帙  第四巻
続々修正倉院古文書  第五帙  第五巻
続々修正倉院古文書  第五帙  第六巻
続々修正倉院古文書  第五帙  第七巻
続々修正倉院古文書  第五帙  第八巻
続々修正倉院古文書  第五帙  第九巻
続々修正倉院古文書  第五帙  第拾巻
続々修正倉院古文書  第五帙  第拾壱巻
続々修正倉院古文書  第五帙  第拾弐巻
続々修正倉院古文書  第五帙  第拾参巻
続々修正倉院古文書  第五帙  第拾四巻
  第六帙  花厳経
続々修正倉院古文書  第六帙  第壱巻
続々修正倉院古文書  第六帙  第弐巻
続々修正倉院古文書  第六帙  第参巻
続々修正倉院古文書  第六帙  第四巻
続々修正倉院古文書  第六帙  第五巻
続々修正倉院古文書  第六帙  第六巻
続々修正倉院古文書  第六帙  第七巻
続々修正倉院古文書  第六帙  第八巻
続々修正倉院古文書  第六帙  第九巻
続々修正倉院古文書  第六帙  第拾巻
続々修正倉院古文書  第六帙  第拾壱巻
続々修正倉院古文書  第六帙  第拾弐巻
続々修正倉院古文書  第六帙  第拾参巻
続々修正倉院古文書  第六帙  第拾四巻
続々修正倉院古文書  第六帙  第拾五巻
  第七帙  千手経并千四百巻経
続々修正倉院古文書  第七帙  第壱巻
続々修正倉院古文書  第七帙  第弐巻
続々修正倉院古文書  第七帙  第参巻
続々修正倉院古文書  第七帙  第四巻
続々修正倉院古文書  第七帙  第五巻
続々修正倉院古文書  第七帙  第六巻

大日本古文書対照目録
補遺