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数学とは何か

 数学の良いところは、第一にとにかく自由であることでしょう。数学のもとでは教授も学生も平等であるというのが原則です。研究テーマをあれこれ指示されることはなく、指導教員の控え目な誘導にさえ従わない学生が多く、チームプレーもあまり重視されません。これが行き過ぎて自己中心的になる人が多いのは欠点かもしれません。一方、さまざまな得意技をもった人たちの間で連携や相互作用がうまく機能したときには、思わぬ大結果に発展することもあります。数学 は世界共通言語ですから、紙と鉛筆(最近はノートPC)さえあればどこへでも行って研究することができます。

 その一方で、数学の制約として厳密な証明が要求されるということがあります。多くの例を計算し、もっともらしい話の筋がうまくできているというだけでは、数学ではまったく通用しません。「明らか」 とかいって逃げることは許されないきびしい側面もあります。複雑な証明が正しいかどうかをチェックすることは実は専門家でも困難な場合があり、細部は信用するということが多いので、研究者倫理は数学でもとくに重要になります。信用を失えば論文を読んでもらえません。

 数学の証明をコンピューターがプログラムを読み込むように一行ずつ確かめていっても、証明を理解することはできません。数学がやたらと難しく見えるのはこういうときです。全体を見渡して何をやっているのかを把握できれば、要点だけをジャンプしながら抑えていくことができます。このことは新しいことを研究する場合にも通用します。わかってしまえば易しいことが多いのも数学の特徴です。

 数学はとても古い学問です。「地方分権」が進んでいて、少し分野が離れていると数学者同士でも相互理解が困難になることも事実ですから、新聞記者が数学を記事にしにくいのも当然といえます。しかし、現在もエキサイティングな「数学新展開」が活発に生み出されていることを訴えたいと思います。

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「数学新展開の
研究教育拠点」
拠点リーダー・
川又 雄二郎 教授