○東京大学化学物質管理規程
平成19年6月21日
役員会議決
東大規則第9号
(趣旨)
第1条 この規程は、東京大学教職員の環境安全衛生管理規程(平成16年4月1日東大規則第10号。以下「環境安全衛生管理規程」という。)に定めるもののほか、国立大学法人東京大学(以下「本学」という。)において使用及び保管される化学物質等について、安全衛生上の危害防止及び環境管理のための適正な使用及び管理を行うために必要な事項を定める。
(定義)
第2条 この規程において、次の各号に掲げる用語の定義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 化学物質等 次に掲げるものをいう。
イ 特定化学物質等(労働安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号)別表第3に掲げるものをいう。)
ロ 有機溶剤(労働安全衛生法施行令別表第6の2に掲げるものをいう。)
ハ 毒物(毒物及び劇物取締法(昭和25年法律第303号)別表第1並びに毒物及び劇物指定令(昭和40年政令第2号)第1条に掲げるものであって、医薬品及び医薬部外品以外のものをいう。)
ニ 劇物(毒物及び劇物取締法別表第2並びに毒物及び劇物指定令第2条に掲げるものであって、医薬品及び医薬部外品以外のものをいう。)
ホ 特定毒物(毒物及び劇物取締法別表第3並びに毒物及び劇物指定令第3条に掲げるものであって、医薬品及び医薬部外品以外のものをいう。)
ヘ 危険物(消防法(昭和23年法律第186号)別表第1の品名欄に掲げるものをいう。)
ト 第一種指定化学物質(特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律施行令(平成12年政令第138号)別表第1に掲げるものをいう。)
チ 第二種指定化学物質(特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律施行令別表第2に掲げるものをいう。)
リ 高圧ガス(高圧ガス保安法(昭和26年法律第204号)第2条及び第3条に規定するものをいう。)
ヌ 揮発性有機化合物(VOC)(大気汚染防止法(昭和43年法律第97号)第2条第4項に規定するものをいう。)
ル 悪臭防止法(昭和46年法律第91号)第2条第1項に規定するもの
ヲ 麻薬(麻薬及び向精神薬取締法(昭和28年法律第14号)第2条第1号に規定するものをいう。)
ワ 向精神薬(麻薬及び向精神薬取締法第2条第6号に規定するものをいう。)
カ 覚せい剤(覚せい剤取締法(昭和26年法律第252号)第2条第1項に規定するものをいう。)
ヨ 化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律施行令(平成7年政令第192号)第3条及び第4条に規定するもの
タ 農薬(農薬取締法(昭和23年法律82号)第2条第1項に規定するものをいう。)
レ 除草剤(農薬取締法第22条に規定するものをいう。)
ソ 火薬類(火薬類取締法(昭和25年法律第149号)第2条第1項に規定するものをいう。)
ツ イからソまでに掲げるもののほか化学的な有害性・危険性を有するもの
ネ イからツまでに掲げるものの使用により生じた廃棄物
(2) 環境安全管理 環境汚染の発生を防止し、教職員及び学生等(以下「教職員等」という。)の生活環境の安全確保をはかることを目的として、有害物質を管理し、必要な措置を講ずることをいう。
(3) 作業環境管理 作業環境中の有害物質によって生ずる健康障害について、防止対策を講ずること、及び当該防止対策の有効性について、定期的に、又は必要に応じて、見直を行い、必要がある場合は当該対策の改善を行うことをいう。
(4) リスクアセスメント 化学物質等の放出又は事故時の爆発・火災・漏えい等に関する情報を入手して、当該化学物質等の有害性・危険性の種類及び程度(以下「有害性等」という。)を特定し、当該化学物質等へのばく露の程度等に応じて生ずるおそれがある健康障害の可能性及びその程度を評価し、リスク低減を図ることにより災害を未然に防ぐための一連の手法ことをいう。
(5) 設備 労働安全衛生法施行令第15条第1項第5号に定めるものをいう。
(6) 化学的有害廃棄物 教育・研究活動に伴い廃棄又は排出される環境汚染のおそれがある物質で、環境安全本部が別途定めるものをいう。
(7) 教職員 東京大学基本組織規則(平成16年4月1日東大規則第1号。以下「基本組織規則」という。)第2章に掲げる教職員をいう。
(8) 学生等 本学において教職員に教育又は研究指導を受けるすべての者をいう。
(9) 法令等 化学物質等に関連する法令、教職員等の環境安全衛生の確保に関し本学が定めた規程並びにこれらの委任により定めた細則をいう。
(10) 部局 基本組織規則第3章及び第4章に掲げる組織並びに教育学部附属中等教育学校及び医学部附属病院をいう。
(11) 部局長 部局の長をいう。
(担当理事及び部局長等の責務)
第3条 環境安全衛生を担当する理事(以下「担当理事」という。)は、本学における化学物質管理の責任者として、本学における化学物質等の自主的管理の改善及び促進、環境安全管理、化学物質等の取扱いに関する業務並びに化学物質等の取扱いによる健康障害の防止(以下この条において「化学物質等管理」という。)について総括する。
2 環境安全本部長は、担当理事の指揮監督のもとに、本学における化学物質等管理に関する指導及び助言を行う。
3 部局長は、部局における化学物質管理の責任者として、部局における化学物質等管理について指揮監督を行う。また、部局長は、化学物質等を使用する研究室の自主的管理体制の整備に努めなければならない。
4 部局環境安全管理室長は、環境安全本部長の協力を得て、部局長の指揮監督のもとに、部局における化学物質等管理に関する指導及び助言を行う。
(化学物質等を取り扱う教職員等の責務)
第4条 化学物質等を取り扱う教職員は、法令等及び本規程を遵守するとともに、所属する部局の部局長の指揮監督のもとに、化学物質等について適正な管理を行わなければならない。
2 化学物質等を取り扱う学生等は、法令等及び本規程を遵守するとともに、所属する部局の教職員の指揮監督のもとに、化学物質等について適正な管理を行わなければならない。
(環境安全研究センター及び保健・健康推進本部の協力)
第5条 部局長は、本学における化学物質等の環境安全管理について、環境安全研究センターの協力を得て行う。
2 部局長は、本学における化学物質等の取扱いによる教職員等の健康障害防止等について、保健・健康推進本部の協力を得て行う。
(化学物質等の登録及び管理等)
第6条 化学物質等を取り扱う教職員は、原則として、その取り扱う化学物質等について、東京大学化学物質・高圧ガス管理システムに登録し、管理するものとする。
2 環境安全本部長は、化学物質等の管理状況について、必要に応じて部局環境安全管理室長に報告を求めることができる。
(改善命令等)
第7条 担当理事は、化学物質等による環境安全管理上の問題若しくは健康障害が生じ、又は生ずるおそれがあると認められるときは、各部局長に対して、化学物質等の使用停止を含む改善措置を命ずることができる。
2 環境安全本部長は、適正な化学物質等の使用がなされているか確認し、化学物質等による環境安全管理上の問題若しくは健康障害が生じ、又は生ずるおそれがあると認められるときは、部局長及び部局環境安全管理室長に対して、化学物質等の使用停止を含む改善措置について、指導及び助言を行うことができる。
3 前2項の場合において、部局長は、化学物質等の使用停止を含む改善措置を講じなければならない。
4 部局長は、環境安全管理上の問題又は健康障害の生ずるおそれがなくなった時点において、前項の規定により講じた改善措置について、担当理事に報告しなければならない。
(リスクアセスメントの実施等)
第8条 部局長は、当該部局において取り扱われる化学物質等について、リスクアセスメントを実施しなければならない。
2 部局長は、前項に規定するリスクアセスメントの実施に際して、環境安全本部長、環境安全研究センター長及び保健・健康推進本部長に対して、指導及び助言を求めることができる。
3 リスクアセスメントは、化学物質等の有害性等に関する情報及びこれらの物質による健康障害防止措置に関する情報等を積極的に活用して行われなければならない。
4 作業環境管理における化学物質等の有害性等に関するリスクの特定に当たっては、作業環境評価基準(昭和63年労働省告示第79号)に、管理濃度として化学物質等ごとに定められた値を基準にしなければならない。
5 化学物質等を譲渡し、又は提供しようとする教職員等は、当該化学物質等について有害性等を調査し、かつ、当該化学物質等を譲渡し、又は提供する相手方に対し、有害性等に関する必要な情報を文書で通知しなければならない。
6 化学物質等の譲渡又は提供を受ける教職員等は、化学物質等の譲渡又は提供を受けようとする相手方に対し、当該化学物質等の有害性等の確認を行わなければならない。
(緊急時の措置)
第9条 化学物質等を取り扱う教職員等は、その保管若しくは取扱いに係る化学物質等の飛散若しくは漏えい等により環境安全管理上の問題若しくは健康障害が生じ、又は生ずるおそれがあるときは、直ちに所属する部局等の部局長に届け出るとともに、必要な措置を講じなければならない。
2 化学物質等を取り扱う教職員等は、その保管若しくは取扱いに係る化学物質等が盗難にあい、又は紛失したときは、直ちに所属する部局等の部局長に届け出なければならない。
3 前2項の場合において、部局長は、直ちに担当理事に報告しなければならない。
4 前項の報告を受けた担当理事は、所轄庁に届け出る等の必要な措置を講じなければならない。
(点検)
第10条 部局長は、化学物質等の取扱管理状況について、定期的に点検を実施し、必要な措置を講じなければならない。
2 部局長は、化学物質等を取り扱う施設及び設備の損傷、腐食等による化学物質等の漏えいが発生した場合には、速やかに点検を実施し、その結果異常が認められた場合には、速やかに補修その他の必要な措置を講じなければならない。
3 前2項の場合において、部局長は、点検の結果を担当理事に報告しなければならない。
(廃棄)
第11条 化学的有害廃棄物の処理は、原則として、部局長が環境安全研究センターを通じて行わなければならない。ただし、特別の事情がある場合には、環境安全研究センターの指導及び助言を得て、他の適正な方法により処理することができる。
2 環境安全研究センター長は、化学的有害廃棄物の処理について、必要に応じて部局長に指導及び助言を行うことができる。
(健康管理)
第12条 化学物質等を取り扱う教職員の健康管理については、環境安全衛生管理規程に定めるところによる。
(安全教育)
第13条 化学物質等を取り扱う教職員の安全教育については、環境安全衛生管理規程に定めるところによる。
(近隣住民等への対応)
第14条 担当理事及び部局長は、化学物質等の管理について、近隣住民及び周辺地域の理解を得るための必要な措置を講じなければならない。
2 環境安全本部長及び部局環境安全管理室長は、近隣住民及び周辺地域の理解を得るため、必要な情報の提供を行うとともに、化学物質等の管理に関する意見、苦情等に誠実に対処しなければならない。
(雑則)
第15条 この規程に定めるもののほか、この規程の実施に関し必要な事項は、別に定める。
附 則
この規則は、平成19年7月1日から施行する。
附 則
この規則は、平成20年10月9日から施行する。
附 則
この規則は、平成21年4月1日から施行する。
附 則
この規則は、平成22年4月1日から施行する。
附 則
この規則は、令和3年4月1日から施行する。