このページのトップです。
東京大学ホーム > 社会連携 > 公開講座・講演会 > 東京大学公開講座
space

社会人向け教育プログラム

公開講座・講演会 東京大学公開講座

第102回(平成16年秋) いま、倫理の時代

※終了しました。

いま、倫理の時代。そういう実感が強い。どこか深いところで、人にも社会にも重要な変質あるいは地殻変動が起きているためではないだろうか。倫理とはいうまでもなく人の道、人間としてなにが大切か、どう生きるべきかを指し示すもの、それが倫理にほかならない。それが、いま大きく揺らいでいる。
なにが究極的に重要なことなのか、そんなことなど考える暇がない、忙しいからだという。たしかにそういわれてみれば、忙しいとは「心を亡くす」と書く。しかし、20世紀はビジネスの時代、だから心を亡くす時代、倫理の空洞化が自然の成り行きなどといって嘯いてはいられない。
なにが大切なのか、その点で迷いはないという人もいる。しかし、多くの人が集まってみると、それぞれの見方が個々バラバラ、しばしば真っ正面から意見が対立する。そうした状況を、ポスト工業化だから価値観が多様化するのが自然なことなどといってきた。とまれ、その深い亀裂をどう埋めたらよいか、規範理論の構築か、譲り合いと妥協か、権力か、それとも最後は暴力なのだろうか。
いうまでもなく、現代は科学・技術の進歩がめざましい。最近も、ヒトクローン胚の研究を基礎的なものに限って認めていこうという総合科学技術会議生命倫理専門調査会の結論が報道されて、大きな注目を集めた。そういえば、○○倫理といった言葉をよく目や耳にする。いわく、政治倫理、企業倫理、労働倫理、生命倫理、環境倫理、情報倫理、医療倫理、技術倫理など、山のようにある。このように、倫理という言葉の前に多くの語彙をおくことのできる時代を私たちは生きている。
その一方で、仮にこれらを応用倫理と呼ぶとすれば、純粋倫理あるいは基礎倫理とでもいうべき領域あるいは問題が大きく頭をもたげている。ひとことでいえば、人間そのものについての省察が求められているからだろう。いったい、人間の欲望とはなにか、優しさとはなにか、個の尊重とはどういうことかといった問題について熟慮すべき時代の真っ直中に私たちはいる。

第102回東京大学公開講座企画委員会
委員長 稲上 毅(人文社会系研究科長)


第102回公開講座企画委員
宮廻 美明 (法学政治学研究科教授) 小林 洋司 (農学生命科学研究科教授)
赤林 朗 (医学系研究科教授) 石浦 章一 (総合文化研究科教授)
班目 春樹 (原子力研究総合センター教授) 磯部 雅彦 (新領域創成科学研究科教授)
竹内 整一 (人文社会系研究科教授) 田中 秀幸 (情報学環助教授)


聴講のご案内


聴講案内 PDF
[PDFファイル388KB]
会場 東京大学大講堂(安田講堂)
会場アクセス
時間 13:30~16:30
定員 800名
聴講料 全講義(5日間)4,000円
選択(1日)1,000円
* 高校生は半額
申込締切 各講義日の4日前必着
修了証書 全講義を申し込まれた方が3日以上出席された場合には、ご希望により差し上げます。

講義日程

【第1日】09月25日(土)
開発援助-貧しさへのまなざしと責任- 佐藤 仁(新領域創成科学研究科助教授)
技術倫理-社会のための技術とは-    班目春樹(原子力研究総合センター教授)
 
【第2日】10月02日(土)
変わる倫理・変わらない倫理
-(信)という存在の次元とその変容-
熊野 純彦(人文社会系研究科助教授)
社会倫理学のすすめ 川本 隆史(教育学研究科教授)
 
【第3日】10月09日(土)
医療事故-真の解決に向けた新たな取り組み- 前田 正一(医学系研究科講師)
生命倫理と死生観 島薗 進(人文社会系研究科教授)
   
【第4日】10月16日(土)
倫理観とヒトゲノム-最新の脳科学の現状- 石浦 章一(総合文化研究科教授)
情報倫理の葛藤-個人情報の活用と保護- 須藤 修(情報学環教授)
 
【第5日】10月23日(土)
「みんなの森」を巡る葛藤を超えて-森はだれのものか?- 井上 真(農学生命科学研究科助教授)
企業倫理とコーポレート・ガバナンス 江頭 憲治郎(法学政治学研究科教授)
   
* 講義時間は1時間目13:30~14:50、2時間目15:10~16:30です。
* 講義初日には開講の挨拶、最終日には閉講の挨拶がございます。



 



<< 過去の公開講座 第101回「はじまり」

space