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動物性集合胚作成規則
平成22年 7月29日 制定
(趣旨)
第1条 東京大学における動物性集合胚の作成に際して遵守すべき技術的及び倫理的事項については、ヒトに関するクローン技術等の規制 に関する法律(以下「法」という。)、ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律施行規則(以下「施行規則」という。)、特定胚 の取扱いに関する指針(以下「指針」という。)及び東京大学研究倫理審査実施規則(以下「規則」という。)等に定めるもののほか、こ の規則の定めるところによる。
2 動物性集合胚に用いられるヒトの細胞の提供並びに動物性集合胚の輸出入、取扱期間、胎内移植の禁止及び情報の公開については、 指針の定めるところによる。

(定義)
第2条 この規則において使用する用語は、法及び指針において使用する用語の例によるほか、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ 当該各号に定めるところによる。
  1. 作成部局 研究責任者が所属する東京大学基本組織規則に定める教育研究部局、全学センター及び医学部附属病院をいう。
  2. 作成計画 作成部局が行う動物性集合胚の作成に関する計画をいう。
  3. 研究責任者 動物性集合胚の作成が適切に行われるよう総括する立場にある者をいう。
  4. 研究者 作成計画を実施し、実際に動物性集合胚を作成する者をいう。

(総長の責務)
第3条 総長は、動物性集合胚の取扱いについて包括的に責任を負うものであり、次の各号に掲げる事項を行うものとする。
  1. 動物性集合胚の取扱いに関し施行規則に定める事項を文部科学大臣に届け出ること。
  2. その他動物性集合胚の取扱いに関する必要な措置を講ずること。

(機関内倫理審査委員会)
第4条 動物性集合胚の作成に際しては、その科学的妥当性及び倫理的妥当性について、倫理審査専門委員会(以下「専門委員会」 という。)において審議するものとする。
2 前項の審議は、規則第8条第1項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる委員の人数が出席しなければ、これを開くことができない。
  1. 本学に属しない委員 2名以上
  2. 男性及び女性の委員 各2名以上
  3. 規則第7条第4項第1号、第2号、第4号、第6号及び第7号の委員 各1名以上
3 専門委員会は、作成計画又は作成計画の変更等(以下「作成計画等」という。)について、指針に則して十分に審議し、その適否、 留意事項、改善事項に関して作成部局の長に意見を提出するものとする。
4 専門委員会は、研究の進行状況及び結果について、作成部局の長からの報告を受けて、倫理的な問題等の検討を行うとともに、 必要に応じて調査を行い、留意事項、改善事項等に関して作成部局の長に意見を提出するものとする。
5 作成計画等が、軽微な変更であると専門委員会委員長が認める場合は、迅速審査を行うことができるものとする。
6 前項に定めるもののほか、迅速審査について必要な事項は、別に定める。
  1. 中心的な役割を担っていない研究者の追加又は抹消等
  2. その他研究計画の軽微な変更
7 前項に定めるもののほか、迅速審査について必要な事項は、別に定める。

(作成部局の長)
第5条 作成部局の長は、当該部局における研究責任者及び研究者(以下「研究責任者等」という。)による動物性集合胚の作成 についての総責任者として、次に掲げる業務を行う。
  1. 作成計画等を専門委員会に諮問し、その議を経て動物性集合胚を作成することを総長に申請すること。
  2. 動物性集合胚の作成の進行状況及び結果を把握するとともに専門委員会に報告し、必要に応じ研究責任者に対しその 留意事項、改善事項等に関し指示を与えること。
  3. 動物性集合胚の作成を監督すること。
  4. 動物性集合胚の滅失又は廃棄を総長に届け出ること。
  5. 作成部局において法、施行規則、指針、本規則等を周知徹底し、これを遵守させること。
  6. 作成部局における動物性集合胚の作成に関して、教育研修計画を策定し、これに基づき教育研修を実施すること。
  7. その他動物性集合胚の作成に関する必要な措置を講ずること。

(研究責任者)
第6条 研究責任者は、次に掲げる業務を行う。
  1. 動物性集合胚の作成に関し、内外の入手し得る資料及び情報に基づき、作成計画等の科学的妥当性及び倫理的妥当性について検討すること。
  2. 動物性集合胚の作成を総括し、及び研究者に対し必要な指示を行うこと。
  3. 動物性集合胚の作成が作成計画等に従い適切に実施されていることを随時確認すること。
  4. 動物性集合胚の作成を行う実験室(以下「実験室」という。)の鍵を管理すること。
  5. 動物性集合胚の作成記録簿を作成し、作成の都度、作成責任者等の氏名、日時、操作内容等を記載し、これを保存すること。
  6. 動物性集合胚の保管記録簿を作成し、凍結保存を行った作成責任者等の氏名、凍結保存を開始した日時等を記載し、これを保存すること。
  7. 動物性集合胚を滅失又は廃棄した後に、このことを作成部局の長に届け出ること。
  8. 動物性集合胚の作成の状況を作成部局の長に必要に応じ報告すること。
  9. 作成計画を終了したときは、作成の結果を作成部局の長に報告すること。
  10. 研究者に対し、教育研修に参加させるとともに、その他動物性集合胚の作成を行うために必要な技術的能力及び倫理的な認識を向上させるための研究グループ内の教育研修を実施すること。
  11. 前各号に定めるもののほか、作成計画を総括するに当たり必要となる措置を講ずること。

(技術的遵守事項)
第7条 研究責任者等は、次に掲げる技術的事項を遵守しなければならない。
  1. 研究責任者等は、動物性集合胚の作成に関する十分な専門的知識及び技術的能力を有していること。
  2. 研究責任者は、動物又はヒトの胚、ES細胞又はiPS細胞を使用する研究に関する十分な実績及び経験があり、 かつ、前条各号に規定する業務を的確に実施すること。
  3. 研究者は、動物又はヒトの胚、ES細胞又はiPS細胞の取扱いに関する経験を有していること。
  4. 実験室は、常時施錠し、関係者の同意なくそれ以外の者を入室させないこと。
  5. 動物性集合胚の作成に係るインキュベーター、クリーンベンチ及び培養に必要な実験機器は、実験室に設置すること。
  6. インキュベーターは、動物性集合胚の培養のための専用とすること。

(倫理的遵守事項)
第8条 研究責任者等は、次に掲げる倫理的事項を遵守しなければならない。
  1. 動物性集合胚に関し十分な倫理的認識を有し、その倫理的認識を維持できるように努めること。
  2. 動物性集合胚の作成に関し、常に倫理的妥当性を検証すること。
 

附 則

この規則は、平成22年7月29日から施行し、平成22年4月26日から適用する。

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