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特別展「東京大学コレクション『マザリナード集成』」(総合文化研究科 駒場博物館)

掲載日:2016年10月13日

基本情報

区分 展示
対象者 社会人・一般 / 在学生 / 受験生 / 留学生 / 卒業生 / 企業 / 小学生 / 中学生 / 高校生 / 大学生
開催日(開催期間) 2016年10月15日 — 2016年12月4日
開催場所 駒場地区
会場 大学院総合文化研究科・教養学部 駒場博物館 1階北側展示室
(目黒区駒場3-8-1)
参加費 無料
申込方法 事前申込不要
お問い合わせ先 駒場博物館 03-5454-6139
komabamuseum@adm.c.u-tokyo.ac.jp

東京大学コレクション『マザリナード集成』は約2700点のマザリナード文書です。これは絶対王政確立の前夜、ルイ14世の未成年時代にフランスを混乱に陥れたフロンドの乱(1648-1653)の際に出版された印刷物です。
「マザリナード」mazarinadeという呼称は、時の宰相マザランに由来し、初めは反マザラン文書を指していました。しかし現存する約5000種類の内容は高等法院裁決のような公文書から、国王の手紙、政治的誹謗中傷、戦況報告、パリの食糧難を嘆く詩、張り紙、建白書、果ては料理のレシピまで…。言い換えるなら、フロンドの乱のありとあらゆる発言の集合です。

マザリナード文書はフランスの歴史において貴重な第一次資料ですが、扱いの難しい資料体でもあります。なぜなら、これらの文書は敵方をあざむき、陥れるために「嘘をつく」こともあるからです。
けれどもマザリナード文書の面白さはじつはそこにあるのです。歴史的証言として「内容を鵜呑みにはできない」が、これらの文書は「何を」「どのように」伝えようとしているのか…。「誰に」「どんな影響を」与えようとしているのか…。そして人々はどのように反応したのか…。
フランスの内乱のさなかに「石つぶて」として飛び交った言葉――マザリナード文書――は、それ自体が行為としてフロンドの乱の一部を形成するものです。

パリのポン・ヌフを中心に本屋や行商人を介して流通したマザリナード文書は、一方で同時代人のコレクターを数多く生みました。本学コレクションもフロンドの乱の同時代人を含む複数のコレクターに由来します。コレクションはフランスだけでなく、イギリス、ドイツ、アメリカ、ロシア、バチカン等、世界中に見いだされますが、東京大学『マザリナード集成』のように2000点を超すものは大型コレクションに分類されます。

2008年からこのコレクションのデジタル化に着手した「マザリナード・プロジェクト」では、2011年に電子コーパス化した『マザリナード集成』をWebで公開しています。
このサイトは古文書を閲覧による劣化から保護すると同時に、マザリナード文書に関する知識の集積と共有のための学術研究用プラットフォームとしても設計されており、すべての人に開かれています。
http://mazarinades.org/ (仏語・一部日本語)

このたびの展覧会は非物質化したWeb上の仮想コレクション「マザリナード・プロジェクト」と対をなし、現実のマザリナード文書によってフロンドの乱を語る構成になっています。ふだんは閲覧に制限のある本学総合図書館の貴重書44巻すべてが一般公開される最初の機会です。
この展覧会はまた、SNSによって個人の情報発信が容易になった私たちと、およそ400年前の社会で印刷物という拡散の手段を手にしたフロンドの乱の同時代人との出会いでもあります。私たちには何か共通点があるのでしょうか…?
どうぞゆっくりお楽しみください。





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