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シンポジウム「"Society 5.0"とスポーツ先端科学研究~スポーツの新たな価値創出に向けて~」を開催 (総合文化研究科・教養学部)

2017年11月10日掲載

実施日: 2017年10月17日

スポーツ先端科学研究拠点および政策ビジョン研究センターは平成29年10月17日(火)、特別シンポジウム「“Society 5.0”とスポーツ先端科学研究 ~スポーツの新たな価値創出に向けて~」を本郷キャンパス・安田講堂にて開催いたしました。


境田正樹理事の開会挨拶の後、第1部では拠点構成教員による研究紹介がなされました。石井直方拠点長からは拠点概要説明の後、筋力トレーニングの意義や支援システム構築、工藤和俊准教授(情報学環)からはオリンピックの金メダリストやプロとして活動される音楽家のデータを中心とした熟練技能を有する方々の知覚運動スキル、中村仁彦教授(情報理工学系研究科)からはスポーツパフォーマンス向上や怪我予防に資する身体動作分析技術、稲見昌彦教授(先端科学技術研究センター)からはARやVRに加え、DR(Diminished Reality)、ドリフト可能な車イス開発などについて研究が紹介されました。


第2部では「Society 5.0に向けたスポーツからの価値創出」をテーマにパネルディスカッションが行われました。冒頭では藤田俊哉氏(英国Leeds United FC Head of Football Development – Asia、元サッカー日本代表)と二宮清純氏(株式会社スポーツコミュニケーションズ代表取締役、スポーツジャーナリスト)による対談が行われました。藤田氏の実体験に伴うオランダと英国のサッカースタイルの相違点などから話が始まり、日本サッカーの目指すべき方向性について、日本サッカーの発展の経緯や体格の違いから分析・提言するような興味深い対談が進められました。引き続いて、五神真総長による基調講演「Society 5.0 に向けたスポーツからの価値創出」が行われました。講演では、知恵による新たな価値の創出の重要性、社会の急激な変化(パラダイムシフト)を新たなチャンスと捉えて挑戦をしていくことの必要性、スポーツが元来有する挑戦を促す文化が新たな価値創出に適したものであることなどが述べられました。講演の後、間野義之氏(早稲田大学スポーツ科学学術院教授)、松下浩二氏(一般社団法人Tリーグ代表理事)が加わり、坂田一郎教授(政策ビジョン研究センター、工学系研究科)進行の下、ディスカッションが行われました。まず始めに、間野氏から他国スポーツとの収益の差異と日本のスポーツビジネスにおける方向性について、松下氏からは卓球の特性(多様な人々が楽しめるスポーツ、場所的・金銭的障害が低い)を活かしたTリーグの枠組みについて述べられました。その後、登壇者間で議論が行われました。スポーツが有する多様な価値の内、日本では教育的価値に重きを置く傾向が見られてきたことや、経済的価値や楽しさ・共感力といった価値なども活かした社会全体におけるスポーツへの今後の取り組み方について多様な視点から議論が行われました。その他、異なる競技間で協調・協創してスポーツを盛り上げていきたいという藤田氏の意見が印象的でした。
 

第3部では「日本における今後のスポーツビジネス拡大と日本版NCAAの可能性」をテーマにパネルディスカッションが行われました。第3部もスポーツ各界で活躍される方々が登壇され、境田理事の進行の下、議論が行われました。三沢英生氏(株式会社ドーム取締役、東京大学運動会アメリカンフットボール部監督)、福田雅氏(公益財団法人日本サッカー協会監事、東京大学運動会ア式蹴球部監督、東京ユナイテッドFC監督)、俣野泰佑氏(東京大学工学部4年、東京大学運動会ア式蹴球部学生GM、一般社団法人ユニサカ理事)からは、大学スポーツと企業・地域・学生間の新しい形の関わり方の紹介がありました。小林至氏(江戸川大学教授、元千葉ロッテマリーンズ投手、元福岡ソフトバンクホークス株式会社取締役)からは第1部・2部を受けた形でのテクノロジーと野球についての話題提供に加え、日本版NCAA構想の説明が行われました。島田慎二氏(株式会社千葉ジェッツふなばし代表取締役社長、公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ副理事長)からは、スポーツビジネスの捉え方についての話題提供があり、スポーツへの熱い想いやボランティア精神に依存したビジネスでは低賃金・長時間労働といったブラック化を招きかねないということ、他のビジネスと同様に捉えるべきであることが述べられました。また、日本版NCAAに関わる話題として、Bリーグ立ち上げの経験を元に、新たな組織を作るには戦略に加えて強力なリーダーシップをもった人が必要であることが述べられました。本ディスカッションでは大学スポーツ振興およびビジネスの視点に加え、地域という視点も加えた形で具体的な活動内容が紹介されたことで、これからのスポーツ振興の形が垣間見えるものとなりました。
 

最後に福田裕穂理事・副学長から閉会の挨拶がなされましたが、シンポジウムが予定終了時刻を超過していることを引き合いに、スポーツ好きが集まると議論は長引くものでありこの超過も予定通りですとのユーモアのこもった挨拶で幕が閉じられました。閉会後は会場閉鎖時刻まで各所で熱い議論が続き、盛会の内に終了いたしました。
 

お越し下さった皆様方には会場変更および予定終了時刻の超過をお詫びしますとともに、ご参加いただきましたことを深く御礼申し上げます。

関連URL:http://utssi.c.u-tokyo.ac.jp/event.html



第2部の登壇者(左から、坂田教授、五神総長、松下氏、間野氏、二宮氏、藤田氏)

基調講演時の五神総長

 
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