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CERNが舞台のドキュメンタリー映画「Particle Fever」上映会を開催

掲載日:2015年4月10日

実施日: 2015年04月05日

2015年4月5日 (日)、 カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)主催による映画「Particle Fever」上映会+アフタートークを柏キャンパスにあるカブリ数物連携宇宙研究機構にて開催しました。イベント後、100名弱の来場者は、科学者に対する新たな視点を得て興奮気味の様子でした。

映画「Particle Fever」は、Kavli IPMUの研究者はもちろん多くの物理学者が約30年もその稼働を待ちかねたCERN(欧州原子核研究機構)のLHC加速器稼働直前の2007年から、ATLAS実験とCMS実験によるヒッグス粒子発見に至る2012年までの約5年間の長きに渡り、理論物理学者と実験物理学者6人の動向を追ったドキュメンタリー映画です。
この映画では、ヒッグス粒子探索の意義や加速器実験のしくみがわかりやすいアニメーションで語られるだけでなく、装置の稼働、事故、そしてヒッグス粒子発見に至るまでの間の6人それぞれのサイエンスにかける姿が生き生きと描きだされます。物語を通じ、物理学者は今日この日を生きる上ですぐには必要とならないサイエンス(特に基礎科学)は人類にとって芸術を行うのと等しく重要かつ必要なものと語ります。その深遠さに、見る人は皆、知らず知らずの内に科学者たちに共感し、ヒッグス粒子発見の瞬間には共に祝福をせずにはいられない、稀有な物語となっています。
海外ではドキュメンタリーとしてだけでなく、商業映画としても高い評価を得ている「Particle Fever」。長らく日本での公開がまたれていましたが、この度、野村泰紀 (のむらやすのり) Kavli IPMU特任教授の多大なる協力を得てKavli IPMUで独自に日本語字幕を作成し、上映の運びとなりました。

まずは野村特任教授から映画の簡単な紹介が行われると、いよいよ映画の上映が行われました。上映後は休憩を挟み、本作のプロデューサーであり主要登場人物の1人でもあるジョンズ・ホプキンス大学教授デイビッド・カプラン氏を迎え、普段から氏と交流があるという野村特任教授とのアフタートークが行われました。カプラン氏は映画制作の動機について、物理学の将来を決める30年来の実験を映像として記録することはまたとない機会であったこと、自分が普段からつきあっているこんなにも面白い物理学者の姿をもっと多くの人たちと共有したかったからだと述べました。一方カプラン氏の通訳も兼ねた野村特任教授はユーモアと個人的見解も加味した「超訳」で会場を大いに賑わしました。

トークの後はホール前のロビーに場所を移し、講師およびTAの大学院生を囲んでの交流会が行われました。興奮した面持ちの来場者にぐるりと囲まれて、次々と浴びせられる質問、コメントに答える両氏もまた興奮気味の様子でした。日が暮れても終わる気配のないほどの参加者の熱意に包まれた交流会でしたが、惜しまれつつ幕を閉じました。

 

関連URL:http://www.ipmu.jp/ja/node/2127



アフタートークにて映画制作秘話を披露する本作ディレクターのカプラン氏と自身の視点を込めた通訳で場内を沸かせた野村氏

上映にあたり、自身の出演シーンもある野村氏が映画を紹介

来場者に囲まれ熱心に質問に答えるカプラン氏
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