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【ノーベル日記 Day6】 梶田先生がノーベル・レクチャーを行いました

掲載日:2015年12月9日

実施日: 2015年12月08日

 梶田先生は、朝9時からストックホルム大学のアウラ・マグナ(Aula Magna)の大講堂にて「大気ニュートリノのニュートリノ振動の発見」と題するノーベル・レクチャー(記念講演)を行いました。講演に先立って、物理学賞のノーベル委員会の議長を務めるAnne L'Huillier教授(スウェーデンのルンド大学)から略歴と受賞理由の説明がなされました。大講堂には、梶田先生の講演を聞こうと、開場前からたくさんの人が集まり、立ち見が出るほどでした。

 講演ではカミオカンデ実験はもともと小規模なチームから始まり、学生として参加していたことやある種のニュートリノ(ミューニュートリノ)を観測した数が予測された値よりも少ないことを発見するに至った経緯を紹介しました。そして、その原因がニュートリノが空間を移動する間に型を変えている(ニュートリノ振動が起きている)ためであることを突き止めたスーパーカミオカンデ実験の成果や今後の展開について話しました。

 午後はスウェーデン日本大使館主催の祝賀レセプションと記者会見に北里大学の大村智特別栄誉教授とともに出席しました。記者会見で、梶田先生は「やっとノーベル・レクチャーを終えて多少ホッとしているところです」と述べた後、メインイベントは授賞式だと思うので楽しみたいと話しました。そして、これまでお世話になった小柴昌俊先生、故戸塚洋二先生、鈴木厚人先生を思いながら、授賞式に参加したいこと明かしました。

 一方、大村先生は自身の先輩である野口照久先生に以前、ストックホルムを目指して研究をと言われたことをふいに思い出し、今回実現して感慨深いと話しました。

 夜にはノーベル賞受賞者とそのゲストらは、ストックホルム・コンサート・ホールで開かれたノーベル・コンサートに出席し、ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団が奏でる演奏を楽しみました。

<関連リンク>
梶田先生のノーベル・レクチャー発表スライド [PDF]
アウラ・マグナ講堂
ストックホルム・コンサート・ホール
 

*【ノーベル日記】はノーベル・ウィークの期間中とその前後にお届けいたします。すべての記事はこちらからご覧になれます。



ストックホルム大学のアウラ・マグナ(Aula Magna)講堂でノーベル・レクチャーを終えた梶田先生とカナダのクイーンズ大学のアーサー・B・マクドナルド先生

ノーベル・レクチャーの会場となったストックホルム大学のアウラ・マグナ(Aula Magna)講堂

日本大使館の祝賀レセプションを楽しむ梶田先生のゲストたち。ゲストの中にはアメリカの共同研究者が含まれます。
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