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世界の卒業生紹介7/シドニーで研究者になった「東大の琴欧州」Petr Matousさん|広報誌「淡青」 34号より (広報室)

2017年04月27日掲載

実施日: 2017年03月07日

文系から理系、ビジネスから学究、芸術から政策と縦横無尽に地球規模で活躍する東大卒業生14名の姿から、世界と共にある東大を浮き彫りにします。
 

シドニーで研究者になった元「東大の琴欧洲」
ペトゥル・マトウシュさん Petr Matous
(http://sydney.edu.au/engineering/people/petr.matous.php)
シドニー大学准教授(Senior Lecturer)
2007年工学系研究科博士課程修了(2005年度総長賞受賞)


 留学生時代に相撲部の主将として活躍し、「東大の琴欧州」と呼ばれたチェコ出身のナイスガイ、それがマトウシュさんです。蓬髪から坊主頭に変貌しましたが、鍛え抜かれた肉体は健在。汗と土が染み込む年季入りのまわしをつけた姿から、後輩に胸を貸すぶつかり稽古の激しさから、「偉大で、容赦ない先輩でした」という後輩のつぶやきからも、世界選手権5位、東日本学生大会3位(体重別)になった当時の活躍は十分に想像できます。しかし、高校までやっていた競技はバレーボール。もとから日本の国技がやりたかったわけではありませんでした。
 

東大時代のマトウシュさん

相撲部のサイトに残る学生時代の一枚。蓬髪です。


 「チェコの大学時代、廊下に貼られた東大の勧誘ポスターを見たのが来日のきっかけ。東大に留学した先輩も勧めるし、違う文化の国で勉強するのが面白いかな、と思ったんです」

 転機は、東大に来て、今はなき弥生寮に入ったこと。寮の先輩が相撲部で、部員が少ないから、と誘われたのです。試しに出た大会で勝利の歓びを味わい、そのまま部員に。稽古を重ね、鋭い立ち会いと突っ張りを磨いた後、鉛筆を挟める腹筋と、初の留学生主将が誕生しました。

 「単に他に人がいなかったからですよ(笑)。相撲には、技術を磨けば大きい相手にも勝てる面白さがあります。他の格闘技と違って相手を痛めるのをよしとしないのも私には魅力的でした」

 相撲部に入ったおかげで、日本にいないとできないことや、他の留学生とは違う日本とがっぷり組み合うことができたと語る元主将。シドニーで准教授となった現在も相撲への情熱は健在で、昨年末に参加したオセアニア大会では見事優勝を果たしました。しかし、一方で昔とは違う感覚もあるのだとか。

 「日本では全然抵抗がなかったのに、なぜか海外ではまわし姿が恥ずかしくて……。その大会はスパッツを付けて出ました」

 今回、久々に相撲部の稽古に参加し、昔の感覚を思い出したであろうマトウシュ先生。東大は、シドニーの教え子の皆さんから次世代のマトウシュさんが輩出することを願っています。
 

おまけQ&A
東大時代のベストバウトは?
「欧州選手権の王者を突っ張りで破った2006年世界選手権」
東大で影響を受けた先生は?
「研究では小澤一雅先生。相撲では匠の技を持つ新田一郎先生」
どんなことを研究していますか?
「途上国のインフラ運用を社会ネットワーク理論で分析しています」
シドニー大学と比べて感じる東大の特徴は?
「中央集権ではなく、個々の教授や研究室の自由度が高いこと」


※本記事は広報誌「淡青」34号の記事から抜粋して掲載しています。PDF版は淡青ページをご覧ください。



歴代部員たちのまわしが壁際に掛かる駒場キャンパスの格技場にて。
写真:井上 匠
 
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