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世界の卒業生紹介8/東南アジア仕込みのAIを日本で広める平野未来さん|広報誌「淡青」34号より (広報室)

2017年05月11日掲載

実施日: 2017年03月07日

文系から理系、ビジネスから学究、芸術から政策と縦横無尽に地球規模で活躍する東大卒業生14名の姿から、世界と共にある東大を浮き彫りにします。
 

東南アジア仕込みの人工知能を日本でビジネスに
平野未来さん Miku Hirano
(http://cinnamon.is/)
Cinnamon CEO
2008年工学系研究科修士課程修了


 在学中に起業した会社をミクシィに売却し、卒業後はフキダシ付きの自撮り画像でやりとりするアプリを東南アジアで展開してきた、国際派起業家の平野さん。「去年は三社祭のためだけに帰国した」という浅草育ちのご本人によると、現在力を入れているのはAI(人工知能)を活用するビジネスです。

 「AIというと、囲碁で名人に勝つとかクルマの自動運転とか、あまり身近ではない、大がかりな印象がありますよね。私はAIをもう少し生活に即したもの、さくっと使えるものにしたいんです」

 平野さんが注目するのは、メッセージのやりとりを自動で行うチャットボットというプログラム。たとえば人材紹介業界で、応募者と企業の面接日時を決めるには、何度か双方の都合を擦り合わせる作業が必要ですが、これをチャットボットで代替するビジネスは、すでに収益を上げています。また、医療の現場では、AIと応答を繰り返すことで、あり得る病気の選択肢を狭めることが可能。ブランド品売買の現場では、AIとの応答を経れば経験の乏しい店員でもニセモノを見分けることができます。
 

東大時代の平野さん

大学院学位記授与式の際、記念に撮った一枚です。


 「人が面倒に思う仕事の多くは、特定の作業を大量にこなすのが得意なAIで置換できます。仕事がなくなる恐怖も指摘されますが、やる気を蝕む仕事を減らす価値のほうが大きいはず。私にとっては家事もその一つですが」

 学生の頃にバックパッカーとして訪れた東南アジアで「キチキチした」日本とは異なる「カオスな感じ」に惹かれた平野さん。これまでの4年間は研究もマーケティングも海外で行ってきましたが、この事業の開始にあたっては母国に拠点を設けました。それは、AIのマーケットを広げるには日本が最適だと読んだから。

 「石器、火、電気など、これまでいくつかの重要な技術が人間を進化させてきました。私はAIもその一つだと思います。AIで人類を前に押し進めたいんです」

 三社祭の神輿の担ぎ手が人間以外になることは今後もないでしょうが、AIが生活のあり方を変える時代はそう遠くないでしょう。その変革の担い手は、やはり平野さんのような人間です。
 

おまけQ&A
高校時代に憧れた職業は?
「パイロット。でも身長が足りず断念。その後ネット中毒に(笑)」
ファッションのこだわりは?
「ワンピースしか着ません。上下の組み合わせを考えるのが面倒で」
東大のキャンパスで好きな場所は?
「安田講堂前にあるベンチ。都内じゃないみたいで落ち着きます」
東大の後輩へメッセージを。
「学生のうちに起業しましょう。学生同士2人がお勧め!」


※本記事は広報誌「淡青」34号の記事から抜粋して掲載しています。PDF版は淡青ページをご覧ください。



「仕事もほとんどこれで」行うというスマホを手に、学生時代もよく来た上野公園にて。写真:井上 匠
 
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