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世界の卒業生紹介10/官民連携基金で感染症撲滅に挑戦するBT Slingsbyさん|広報誌「淡青」34号より (広報室)

2017年05月25日掲載

実施日: 2017年03月07日

文系から理系、ビジネスから学究、芸術から政策と縦横無尽に地球規模で活躍する東大卒業生14名の姿から、世界と共にある東大を浮き彫りにします。
 

官民連携のファンドで世界の感染症撲滅に挑戦
BT Slingsby スリングスビーBTさん
グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)CEO
(http://www.ghitfund.org/)
2007年医学系研究科博士課程修了

 13歳の頃、住んでいたエジプトで象皮病患者の姿に遭遇、感染症が人生に及ぼす影響に震撼して医師を志したという経験を持つスリングスビーさん。ブラウン大学時代にはトライアスロンの米国代表として活躍し、五輪出場をあと一歩で逃したのを機に競技人生にきっぱり別れを告げた後、本格的に医学の世界へ。卒業後に選んだのは、日本の大学でした。

 「鍼灸などの東洋医学に興味があり、中国か日本で学びたかったんです。家族ぐるみで親交していた家庭が京都にあったので京大に進み、その後、師事する先生のご縁で東大に来ました」

 公衆衛生について学ぶうち、患者を診療する臨床医以外にも医学の知見を活かして多くの患者にインパクトを与える道がある、との思いが強まっていったというスリングスビーさん。臨床医にも未練はあれど、臨床も公衆衛生もではどちらも半端になる。やるなら100%しかない、とここでもきっぱり決断した元アスリートは、製薬企業のエーザイに入社。途上国向けの新薬開発などのプロジェクトを率いるうち、一つの思いに到ります。

 「日本には様々なイノベーションがあるのに、途上国の感染症対策にはあまり活かされていなかったんです。日本の優れた創薬技術をグローバルヘルスのために役立てるべきだと思いました」

 官民パートナーシップで途上国向けの新薬開発に挑む基金の着想を得たスリングスビーさんは、製薬企業5社、厚生労働省、外務省、ビル&メリンダ・ゲイツ財団にも精力的に働きかけました。そして、2013年4月、努力の種はGHIT Fundという形に結実。当初100億円規模だった基金は現在140億円まで成長し、10だったパートナー&スポンサー数は26まで拡大しています。イベルメクチンに続く世界的な新薬の登場ももうすぐ?

 「そう簡単にはいきませんが、現在、マラリア、結核などが蔓延するアフリカ、南米の6カ国で臨床試験が進んでいます。2~3年のうちに画期的な新薬をお届けしたいですね」

 カメラ目線が少し苦手だというCEOによる、栄誉の発表会見が楽しみです。
 

おまけQ&A
東大の長所は?
「国際的な共同研究がやりやすい点。慣れた職員の力も大きいですね」
東大キャンパスで好きだった場所は?
「本郷の御殿下体育館。よくジムとプールを使いました」
仕事以外の楽しみは?
「サーフィン。行くのは宮崎、茨城、千葉など」
東大に言いたいことは?
「国際人を世界に輩出すれば日本が世界をリードできます」
では国際人とは?
「世界中のいろいろな人と接する力がある人、ですね」


※本記事は広報誌「淡青」34号の記事から抜粋して掲載しています。PDF版は淡青ページをご覧ください。



 
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