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世界の卒業生紹介11/ 国際航空の秩序ある発展に尽くす田中鉄也さん|広報誌「淡青」34号より

掲載日:2017年6月2日

実施日: 2017年03月07日

文系から理系、ビジネスから学究、芸術から政策と縦横無尽に地球規模で活躍する東大卒業生14名の姿から、世界と共にある東大を浮き彫りにします。
 

国連職員として国際航空の秩序と発展に尽力
田中鉄也さん Tetsuya Tanaka
(http://www.icao.int)
国際民間航空機関事務局(ICAO)
航空運送局気候変動課長
1999年工学系研究科修士課程修了


 国際民間航空機関は国際連合の専門機関の一つ。航空機の安全基準、飛行ルート、パイロットや整備士の資格、滑走路整備のルール、航空管制、騒音レベルなど、各種の国際ルールを策定しています。

 その目的は国際航空の秩序ある発展。191もの参加国による議論をサポートする事務局で田中さんが主に携わるのは、航空の環境対策、特に気候変動対策です。
 

東大時代の田中さん

いつ頃のものかは不明とのこと。
 

 
 「安全に関する話なら大方が一致しますが、環境対策に対するスタンスは国により大きく分かれます。多様な立場に耳を傾けつつ議論を前に進めることが、事務局として苦労する点であり、やりがいでもあります」

 少年時代から飛行機好きだった田中さんは、自然な風向きで東大の航空宇宙工学専攻へ。本人の特長を知る恩師の勧めもあって卒業後は運輸省に進み、4省庁を統合するプロジェクトを担当。国内外で気候変動問題に取り組む気運が高まるなか、国際航空のCO2排出削減世界目標を策定しようとの提案が評価される形で、2008年にカナダのICAO本部に移ったのです。

 「2016年の総会で気候変動対策スキームの全体合意にこぎつけました。今後は詳細なルールを決め、世界中を飛び回って周知しなければいけない。従来通り、風を感じたら機を逃さず、常に目前のことに全力投球するだけですね」

 CO2だけでなく、実は自分の体重の削減も必要だという田中さん。スキームの運用が始まる2019年には、世界全力行脚の結果としてその目標も達成していることでしょう。

 

おまけQ&A
日本の省庁とICAOを比べて感じることは?
「文書による合意形成・情報共有の点では前者が数倍上だと思います」
東大時代に熱中したことは?
「サークル「スポーツ愛好会」で取り組んだバレーボール」
東大時代の恩師から学んだことは?
「難しい話を簡単に説明することの重要さ。社会に出て痛感します」
プライベートでの展望は?
「同世代では北米で有数らしい息子のチェスの力を伸ばしたいですね」


※本記事は広報誌「淡青」34号の記事から抜粋して掲載しています。PDF版は淡青ページをご覧ください。

 


国連本部にて。壁に掛かっているのはパン・ギムン氏ほか歴代事務総長の肖像です。
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