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教育実習から広がる北信州・木島平村との交流 | 広報誌「淡青」35号より

掲載日:2017年11月17日

実施日: 2017年09月08日

淡青色のローカルプロジェクト1@長野県 
 
教育実習を起点に広がる
北信州・木島平村との交流
 

小国喜弘/兵庫出身
Yoshihiro Kokuni
教育学研究科
教授


 

 

木島平中学校にて、初々しいながらも堂々たる授業を行った教育実習生。

昨年9月には木島平小学校6年生の修学旅行一行が来校。法文2号館の大教室で本学の学生や教員を前に発表を行いました。
  
教職免許を取るには、教育実習を経験する必要があります。東大生の場合、自身の出身校や中野の教育学部附属中等教育学校で行うのが一般的です。昨年度、そこに新しい選択肢が加わりました。ブランド米やスキー場で知られる、長野県の木島平村です。8~9月には、村の「農村交流館」と民宿に宿泊しながら4人の東大生が中学校で授業を担当。交流館では宿泊学習中の小学校の児童と生活をともにしました。

「東大生の母校はほとんど進学校ですが、教員として働くのは進学校とは限りません。地方の公立校で実習できるのは意義深いことです」と語るのは、村との交流の立役者である小国先生。知人が村の教育長に就任した縁で、学校と地域と東大が手を組む新しいコミュニティづくりに着手したのは、2010年でした。

「江戸時代には16の村がありましたが、明治期に3つ、1955年に一つの村に統合されました。その後、学校も一つの小学校と一つの中学校になり、村がより一体感を持つには学校の存在が肝になる、と考えたんです」

以来、恩師提唱の「学びの共同体」メソッドをベースに村との交流を重ねてきた小国先生が仲介役となり、教育学研究科は2014年に村と連携協定を締結。その一つの結実が教育実習でした。

秋には村の小学生40人が本郷を訪れ、東大生と教職員を聴衆に、生徒と先生の立場を入れ替える形で講演会を実施。東大の講堂で東大生に講演するのは貴重な体験だったはずです。8~9年後、教育実習生として木島平に帰る東大生が現れても不思議ではありません。
 

右は木島平中学校の校舎。校章には郷土のシンボル高社山と稲穂がデザインされています。
 
※本記事は広報誌「淡青」35号の記事から抜粋して掲載しています。PDF版は淡青ページをご覧ください。

 


 
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