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Tell The Worldが国境を越えたネットワークを学内で作るきっかけを提供しました

掲載日:2016年1月28日

実施日: 2016年01月26日

本部広報室が企画したワークショップTell The Worldが、2016年1月26日(火)午後に本郷キャンパスで行われました。研究成果の国際発信力向上を目指したこのワークショップは、前半は4人の講師による講演会、後半は参加者の交流を兼ねたポスターセッションという2部構成で開催されました。参加したのは東京大学の教職員、研究員、学生で、日本人と外国人合わせて約50人が一堂に会しました。

鈴木真二広報室長の開会のあいさつで始まった講演会にはまず、広報室の高祖歩美特任研究員が登壇し、研究成果のアウトリーチの大切さを述べ、東京大学の教員・研究者が使える有効な手段の1つとしてUTokyo Researchがあることを説明しました。次に登壇した情報システム部の小松陽一係長は、東京大学学術機関リポジトリ(UTokyo Repository)が東京大学教員・研究者の学術論文や記事のアウトリーチに有効なことを述べ、その登録の仕方や活用法を説明しました。続いて行われた質疑応答では、外国人研究者から UTokyo Researchに投稿する場合日本語の記事も同時に投稿すべきなのか、投稿した場合のアクセス数についての質問がありました。外国人にとって日本語の記事を投稿するのはハードルが高い場合もありますが、同僚やスタッフのサポートを活用することで投稿が可能であること、投稿した場合アクセス数が多いのでアウトリーチ効果があることを理解していました。リポジトリに関しては、自分が書いた昔の論文もリポジトリに登録できるのか、リポジトリの広報はしているのかなどの質問が寄せられました。また、人文社会科学系の研究者からは、 UTokyo Researchは自然科学系の記事が多いが、人文社会科学系の記事も投稿してもいいのかという質問があり、質問に答えた広報室のマッカイ特任助教は、人文社会科学系の記事は大歓迎であると伝えました。

3人目に登壇した総合文化研究科のジョナサン・ウッドワード准教授は、 UTokyo Researchを通して研究成果を発表したことで、共同研究が始まったこと、招待講演や記事執筆の依頼があったことなど多くのメリットがあると語りました。また、イギリス時代に様々なアウトリーチのイベントを自ら企画していたことを振り返り、次世代を担う子供に科学の楽しさを伝えていたことの大切さを訴えました。最後に登壇したのはカブリ数物連携宇宙研究機構のアヌプリータ・モレ特任研究員で、一般の人を巻き込んで研究活動を行うシチズン・サイエンスというアウトリーチ活動について、モレ研究員が共同で立ち上げた「Space Warps」というプロジェクト(天文学者が撮影した画像から重力レンズを見つけるオンライン・プロジェクト)を具体例に説明しました。そして、言葉の壁のため日本でのアウトリーチ活動は難しい面もあるけど、より多くの日本人に協力してほしいと呼びかけました。特に、次回からハワイにある日本のすばる望遠鏡が撮影した画像を使用するので、ぜひ日本人にも関心を持ってもらいたいと話していました。続いて行われた質疑応答では、アウトリーチ活動における言葉の壁の問題や、SNSの活用法、大学が提供できるサポートなどが話し合われました。

後半のポスターセッションは、発表者や参加者がコーヒーやスナックを手にしながら、和やかな雰囲気で交流を楽しみました。発表者の一人である外国人研究者は、「今までUTokyo Research を知らなかったけど、ぜひ活用してみたいです。誰にアウトリーチするのか対象を正しく知り、有効なツールを使うことは大事なことです。」と述べていました。ポスター発表には日本人の学生も参加していました。工学系研究科の大学院生は、学部生や高校生を対象とした工学系研究科の広報活動をしていて、「英語でも広報の発信をしたいので、今日のイベントで協力してくれる留学生と知り合えたら嬉しいです。」と語っていました。また、理学系研究科の大学院生は、「研究活動を一般の人に伝えるアウトリーチ活動をしていますが、この活動をより多くの人に知ってもらいたくて今回のイベントに参加しました。」と述べていました。今回のイベントは、東京大学の教職員、研究員、学生が国境を越えたネットワークを作り、様々な人々へアウトリーチするきっかけを提供することになりました。

*本イベントは留学生・外国人研究者支援課のサポートを受けて行われたもので、第二回東京大学国際交流イベント企画コンテストの一環として開催されました。

*本イベントの模様は東大TVでもご覧になれます。(公開中)

*本イベント講演会の発表内容は下記PDFファイルにてご覧になれます。(英語のみ)
 『研究成果の発信法:プレスリリースとUTokyo Research』(高祖歩美特任研究員)
 『研究成果の発信:東京大学学術機関リポジトリ』(小松陽一係長)
 『東京大学の研究:世界への発信』(ジョナサン・ウッドワード准教授)
 『シチズン・サイエンスを活用した発見』(アヌプリータ・モレ特任研究員)
 



ポスターを見ながら、和やかな雰囲気で交流を楽しむ参加者たち

アウトリーチ活動を広報したい理学系研究科の学生さんたち

講演会で熱心に聞き入る参加者。多くの日本人と外国人が参加しました。
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