全ての陽イオンはこの道に通ず

チャネルロドプシンの詳細構造とその分子メカニズムの一端を解明

2012/02/03 理学系研究科

ヒトの脳は多数の神経細胞が複雑に配線された回路ですが、この神経細胞が興奮するためには細胞内に陽イオンが流れ込む必要があります。

structure of channelrhodopsin

そのため、光を当てると細胞内に陽イオンを取り込む膜タンパク質として発見されたチャネルロドプシンは、好きな神経細胞を好きなタイミングで興奮させられる有用なツールとして、その発見以来、現在まで非常に注目を集めてきました。

しかし、何故光を当てるとチャネルロドプシンが陽イオンを取り込むのか、そもそも陽イオンはチャネルロドプシンのどこを通って細胞内に運ばれるのか、そのメカニズムは殆ど分かっていませんでした。

東京大学大学院理学系研究科の濡木理教授、加藤英明らは、チャネルロドプシンの詳細構造を世界で初めて解明し、その構造と電気生理学的な解析の結果、チャネルロドプシンの初期反応に重要なアミノ酸残基を明らかにするとともに、長らく論争になっていたチャネルロドプシンのイオン輸送経路を解明することに成功しました。

今回の結果は光エネルギーを陽イオンの輸送に変換するメカニズムの一端を明らかにしただけでなく、得られた構造情報を元にして、より有用な神経生物学のツールをデザインするための基本的枠組みを提供したという意味で、神経生物学や神経病理学の分野にも大きな影響を与えることが期待されます。

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論文情報

加藤英明, Feng Zhang, Ofer Yizhar, Charu Ramakrishnan, 西澤知宏, 平田邦生, 伊藤淳平, Yusuke Aita,塚崎智也, 林重彦, Peter Hegemann, Andrés D Maturana, 石谷隆一郎, Karl Deisseroth, 濡木理, “Crystal structure of channelrhodopsin light-gated cation channel,” Natureオンライン版2012年1月23日(日本時間) 

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