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Editor’s Choice

超高密度メモリー素子への挑戦

世界で初めて強誘電性カラムナー液晶材料を開発

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工学系研究科・工学部
2012/07/04

強誘電性とは、電場をかけなくても分極を保持でき、電場をかけると電気分極を反転できる性質です。強誘電体材料を用いたメモリーは、高速・低電圧で情報の書き換えが可能で、電源を切っても情報が消えない、理想的な不揮発メモリーとして期待されています。

©Takuzo Aida
今回開発された強誘電性カラムナー液晶の、電場をかけた時の電気分極の応答メカニズム。黄色矢印が電場の向きを示し、電場の向きに応じてカラム状に積み重なった液晶分子(青色の傘状構造)の向きがカラム軸に沿って反転します(それに伴いカラム構造の電気分極も反転)。

強誘電体メモリーには、容量やコストなどの課題があります。そこで注目されているのが、液晶材料です。ある程度自由に分子が動く液晶を用いれば、分子サイズ程度の細かい記録の可能性や、作製プロセスの簡便化、軽量化等、様々な利点があります。しかし、これまで世界中の研究者がメモリーに適した強誘電性液晶材料の開発に挑戦してきましたが、液晶材料で分極の安定性を調整することが非常に難しく、誰も成功していませんでした。

今回、東京大学大学院工学系研究科の相田卓三教授、宮島大吾(博士課程学生)らの研究グループは、有機分子を緻密にデザインすることにより、世界で初めて強誘電性カラムナー液晶材料の開発に成功しました。

カラムナー液晶とは、有機分子からなるカラム(柱状構造)が整列し配置された状態からなる液晶です(図参照)。今回開発された新材料の極小カラムが、一本1ビットのメモリーとして働けばブルーレイの千倍以上という最大級のメモリー密度が実現できます。

メモリーとしての実用化には、記録・読みだしの安定性などの課題がまだ残っています。しかし、カラムナー液晶と強誘電性の両立を世界で初めて実現した本成果は、基礎と応用の両面において、きわめて重要な成果です。

プレスリリース本文へのリンク

論文情報

Daigo Miyajima, Fumito Araoka, Hideo Takezoe, Jungeun Kim, Kenichi Kato, Masaki Takata and Takuzo Aida,
“Ferroelectric Columnar Liquid Crystal Featuring Confined Polar Groups Within Core-Shell Architecture”,
Science, 2012 (April 13 issue), doi: 10.1126/science.1217954
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