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Editor’s Choice

肥満になっても、いいの?

生活習慣病発症のメカニズムが初めて明らかに

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医学系研究科・医学部
2011/11/09

日本人の死亡原因の約6割を占める生活習慣病。その根本的な原因は、肥満に伴って体内の脂肪組織で慢性的に生じる炎症だということが最近分かってきました。しかし、そもそも、なぜ肥満になると炎症が起こるのかということは謎のままでした。

AIMが脂肪組織の周りで炎症を起こす仕組み(クリックすると大きな図が見られます)
Reproduced with permission from Proceedings of the National Academy of Sciences USA 2011

東京大学大学院医学系研究科の宮崎徹教授らは、血中に多く存在するAIM(Apoptosis Inhibitor of Macrophage)というタンパク質が、炎症の根本的な原因となっていることを突き止めました。

実は、AIMには脂肪細胞中の中性脂肪を分解する性質があります。つまりAIMは肥満を防ぐ役割を持つタンパク質なのです。AIMの働きを超えて太り続けてしまう状態は、ちょうど車のブレーキをかけながら同時にアクセルを踏み続けているようなものです。肥満にブレーキをかけるためAIMがどんどん増加し、やがてAIMの血中濃度がある値を超えると炎症が起こり、その炎症が全身に波及する結果、生活習慣病が発症するのです。

本研究成果は、発症プロセスの科学的理解に基づいた新しい治療法につながります。薬剤によって生活習慣病の症状を強制的に抑えていた従来の治療と異なり、体内で作られるタンパク質であるAIMの過剰な反応を調整して生活習慣病の根本原因をなくすことが可能です。食物とAIM濃度の関係が明らかになれば、科学的裏付けに基づいた食事による予防への応用も期待されます。

プレスリリース本文へのリンク

論文情報

?Jun Kurokawa, Hiromichi Nagano, Osamu Ohara, Naoto Kubota, Takashi Kadowaki, Satoko Arai, and Toru Miyazaki.,?
“Apoptosis inhibitor of macrophage (AIM) is required for obesity-associated recruitment of inflammatory macrophages into adipose tissue”,
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America. Published online before print July 5, 2011. doi: 10.1073/pnas.1101841108
論文へのリンク
参考資料

J.?Kurokawa, S. Arai, K. Nakashima, A. Nishijima, K. Miyake, R. Ose, M. Mori, N. Kubota, T. Kadowaki, Y. Oike, H. Koga, M. Febbraio, T. Iwanaga, T. Miyazaki.,
“AIM is endocytosed into adipocytes and decreases?lipid droplets via inhibition of fatty acid synthase activity”,
Cell Metablism.?11: 479-492 ,2010. doi:10.1016/j.cmet.2010.04.013
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医学系研究科

医学系研究科疾患生命工学センター分子病態医科学部門

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