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宇宙の最高エネルギー粒子生成源へ手がかり

最高エネルギー宇宙線のホットスポットの兆候

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宇宙線研究所
2014/07/15

地球には広いエネルギー領域にわたって宇宙線があらゆる方向から等しく(等方的に)到来しています。つまり、これまでに観測されていた宇宙線の到来方向分布においては、宇宙の「特別な方向」は見いだされていませんでした。東京大学宇宙線研究所を含むTelescope Array(TA)国際研究グループは、米国ユタ州に建設したTA宇宙線観測装置の地表粒子検出器で2008年から5年間で取得したデータを用いて、最高エネルギー宇宙線(エネルギーが5.7×1019電子ボルト以上の宇宙線)が過剰に飛来するホットスポットの兆候をとらえました。

赤道座標で示した最高エネルギー宇宙線のa)到来方向分布とb)その有意度。

c 2014 R.U. Abbasi et al. (Telescope Array Collaboration)赤道座標で示した最高エネルギー宇宙線のa)到来方向分布とb)その有意度。赤経(R.A.)146.7度、赤緯(Dec.)43.2度に最大の有意度(5.1シグマ:20度の半径の円内の観測数が19で、一様分布の場合の期待数が4.5)が見られる。赤色の有意度が高く、青色の有意度が低い。Telescope Array観測装置の視野は白い破線より上である。灰色の実線は、銀河面(GP)と超銀河面(SGP)を示す。

このホットスポットは、北半球の空の特定の方向(直径約40度の範囲)にあり、その領域の大きさは北半球の空の6%に相当します。5年間で観測した最高エネルギー宇宙線72事象のうち、最高エネルギー宇宙線が等方的に到来すると仮定した場合、直径40度の円内に最高エネルギー宇宙線の期待される観測数は4.5事象です。しかし実際には、72事象の26%にあたる19事象が、北半球の空の特定の方向(直径約40度の範囲)から到来していました。この偏り(異方性)が等方的に到来する分布から偶然に現れる確率は、わずか10万分の37です。

TA宇宙線観測装置が対象とする最高エネルギー領域の宇宙線は、100平方キロメートルの地表(山手線の面積程度)に一年に一例観測される程度の極めて稀な現象です。しかし、今回、これまで北半球で稼働していた最高エネルギー宇宙線観測装置より7倍大きな面積(東京23区の面積程度)に展開した地表粒子検出器を用いて、数倍の統計量の最高エネルギー宇宙線事象を取得して、ホットスポットの兆候をとらえるに至りました。

宇宙線がどのようにして1020電子ボルトに至るエネルギーを獲得しているかは、いまだに大きな謎です。今後最高エネルギー宇宙線の観測例をさらに増やして、これら宇宙線の発生源となるような宇宙極高現象との関連を探ります。

プレスリリース

論文情報

R.U. Abbasi et al. (126 in total),
“Indication of Intermediate-Scale Anisotropy of Cosmic Rays with Energy Greater Than 57 EeV in the Northern Sky Measured with the Surface Detector of the Telescope Array Experiment”,
The Astrophysical Journal Letters 2014 ApJ 790 L21, doi: 10.1088/2041-8205/790/2/L21.
論文へのリンク(掲載誌UTokyo Repository

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宇宙線研究所

宇宙線研究所 高エネルギー宇宙線研究部門 テレスコープアレイグループ

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