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Research News

脳内のマリファナ類似物質が‘慣れ’をコントロール

内因性カンナビノイドによる馴化の制御メカニズムの解明

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医学系研究科・医学部
2013/07/22

刺激や環境に対する‘慣れ(馴化)’は最も単純な学習であり、統合失調症や自閉症などの様々な精神疾患において障害されることが報告されている。 今回、東京大学大学院医学系研究科の菅谷佑樹助教と狩野方伸教授らは、内因性カンナビノイドと呼ばれる脳内の大麻様物質の一種である2-アラキドノイルグリセロール(2-AG)が匂いや空間に対する馴化を制御するメカニズムを明らかにした。

© Yuki Sugaya, 通常のマウスでは内因性カンナビノイド2-アラキドノイルグリセロール (2-AG) が神経回路の興奮性を低下させることで馴化を抑制しているが(左)、2-AGが産生されないと神経回路の興奮性が高まり、馴化が過度に促進される(右)。

2-AGの合成が低下するように遺伝子改変されたマウスは匂いや空間に早く馴化し、神経細胞間の情報伝達が増強されやすくなっていた。さらに、遺伝子改変マウスの馴化と神経細胞間の情報伝達の関係を調べたところ、2-AGが海馬歯状回の興奮性を低下させ、シナプス伝達の変化を抑えることで馴化を遅延させるというメカニズムが明らかになった。

内因性カンナビノイドは統合失調症や自閉症、依存症との関連が示唆されている。最も単純な学習である‘慣れ’に関してマウスで見出された本研究の成果は、これらの精神疾患の学習・適応能力の理解につながる可能性があると考えられる。

本研究は文部科学省脳科学研究戦略推進プログラムの一環として、また科学研究費補助金の助成を受けて行われた。

プレスリリース [PDF]

論文情報

Yuki Sugaya, Barbara Cagniard, Maya Yamazaki, Kenji Sakimura, Masanobu Kano,
“The Endocannabinoid 2-Arachidonoylglycerol Negatively Regulates Habituation by Suppressing Excitatory Recurrent Network Activity and Reducing Long-Term Potentiation in the Dentate Gyrus”,
The Journal of Neuroscience 33/Vol 8 (2013): 3588-3601, doi: 10.1523/JNEUROSCI.3141-12.2013.
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大学院医学系研究科 機能生物学専攻 生理学講座 神経生理学分野

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