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Research News

生育を妨げずに、植物を高温から保護するタンパク質を発見

温暖化や熱波にさらされた作物の被害を緩和する技術開発へ

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農学生命科学研究科・農学部
2015/01/21

東京大学、国際農林水産業研究センター、理化学研究所の共同研究グループは、植物が高温ストレスにさらされた場合に、それに対抗するための新たな仕組みを分子レベルで明らかにしました。

DPB3-1を多く作るシロイヌナズナでは高温などのストレスのない条件での生育は良好であり、高温ストレス条件下ではDREB2Aの働きを強化することにより、高温に対する耐性が高くなる。

© 2015 佐藤 輝
DPB3-1を多く作るシロイヌナズナでは高温などのストレスのない条件での生育は良好であり、高温ストレス条件下ではDREB2Aの働きを強化することにより、高温に対する耐性が高くなる。

植物は水不足、高い塩濃度や高温などのストレスにさらされると、ストレスに対抗するためにさまざまな耐性遺伝子を活性化することが知られています。シロイヌナズナでは、高温ストレス時に多くの耐性遺伝子の働きを活性化する重要なタンパク質(転写因子)の一つとしてDREB2Aというタンパク質が知られています。しかし、この転写因子DREB2Aが高温時に、どのような仕組みで耐性遺伝子を活性化させているかは分かっていませんでした。

今回、東京大学農学生命科学研究科の篠崎和子教授らを中心とする研究グループは、このDREB2Aと結合し、その働きを助けているタンパク質(相互作用因子)としてDPB3-1を発見しました。このタンパク質を多く作るシロイヌナズナではDREB2Aの機能が強化され、多くの耐性遺伝子の働きがさらに活性化(転写制御)されることから、高温ストレスに対する耐性が向上していることが明らかになりました。さらに、この植物はストレスのない条件でも良好に生長することが示されました。

本成果は、高温ストレスに対する耐性を植物が獲得する新たな仕組みを明らかにしたものです。この仕組みを応用することによって、作物の高温ストレスに対する耐性を高め、温暖化等による厳しい高温条件においても生育する作物の開発技術が進展すると期待されます。

論文情報

Hikaru Sato, Junya Mizoi, Hidenori Tanaka, Kyonosin Maruyama, Feng Qin, Yuriko Osakabe, Kyoko Morimoto, Teppei Ohori, Kazuya Kusakabe, Maika Nagata, Kazuo Shinozaki, Kazuko Yamaguchi-Shinozaki,
Arabidopsis DPB3-1, a novel DREB2A interactor, specifically enhances heat stress-induced gene expression by forming a heat stress-specific transcriptional complex with NF-Y subunits”,
The Plant Cell Online Edition: 2014/12/9 (Japan time), doi: 10.1105/tpc.114.132928.
論文へのリンク(掲載誌

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大学院農学生命科学研究科 応用生命化学専攻

大学院農学生命科学研究科 応用生命化学専攻 植物分子生理学研究室

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