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Research News

「化粧」をする星

周辺ガスの降り積もりによる恒星表面の鉄の濃度の増加

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理学系研究科・理学部
2014/04/28

© Kohei Hattori.
G型・K型主系列星が天の川銀河を周回する速度(公転速度)と表面の鉄の濃度との間の相関関係。金属降着現象が無視できれば、G型(赤)とK型(青)の相関関係は一致します。観測されたズレ(黒矢印)が金属降着現象の影響の強さ、すなわちG型主系列星の見かけ上の「若返り」の度合いを示しています。

宇宙の始まりであるビッグバン以降、宇宙における鉄の量は単調に増え続けています。恒星は宇宙空間のガスから形成されるため、宇宙初期に生まれた恒星は誕生時の鉄の濃度が低く、最近生まれた恒星は誕生時の鉄の濃度が高い傾向があります。これまで、恒星表面の鉄の濃度は誕生時の「先天的」な値から変化しないものと考えられており、恒星の年齢を測る指標として長らく利用されてきました。一方、この通説に反し、鉄の量が少ない恒星の表面に鉄の多いガスが衝突・付着することで恒星表面の鉄の濃度が増加するという仮説も提唱されていました。しかし、この仮説を観測的に検証することは困難であり、これまでなされていませんでした。

今回、東京大学大学院理学系研究科とアメリカ国立光学天文台を中心とする国際研究チームは、天の川銀河に含まれる主系列星(恒星の中心部で水素をヘリウムに変換し、その際に発生する熱をエネルギー源として輝いている恒星)約1万天体の軌道運動と表面の鉄の濃度を解析し、上述の仮説を検証しました。その結果、天の川銀河のハローに属する主系列星の中には、仮説から予想される通り、表面の鉄の濃度が増加しているものが存在する可能性が高いことが判明しました。

今回の結果は通説に基づいて恒星の年齢を推定する従来の手法の欠陥を示唆し、天の川銀河の従来の歴史描像に修正を迫るとともに、宇宙で最初に誕生した星に関する学説に影響を与える可能性があります。

プレスリリース

論文情報

Kohei Hattori, Yuzuru Yoshii, Timothy C. Beers, Daniela Carollo, Young Sun Lee,
“Possible Evidence for Metal Accretion onto the Surfaces of Metal-Poor Main-Sequence Stars”,
The Astrophysical Journal Online Edition: 2014/3/18, doi: 10.1088/0004-637X/784/2/153.
論文へのリンク

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