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染色体分配に重要なヒストン3領域の発見  

掲載日:2011年12月5日

細胞が分裂して二つの娘細胞になる際には、染色体は均等に娘細胞に分配(染色体分配)されることが必要です。これまでの染色体分配の仕組みを明らかにする研究のほとんどは、染色体を分配させる装置の研究へと集中していました。

分子細胞生物学研究所の堀越正美准教授らは、この流れとは全く反対の視点から染色体分配の研究に挑戦しました。すなわち、分配される側の染色体の主要な構成因子であるヒストンに着目し、染色体分配に必要な「ヒストンの表面」3カ所を発見しました。

ヒストンは遺伝子の本体 DNAと結合することから、染色体分配だけでなく、あらゆる生命現象 (基礎科学領域(転写、DNA複製、DNA修復、細胞分化、個体発生など)、応用科学領域(再生医療といった医学分野だけでなく、あらゆるバイオテクノロジー分野))に積極的に関与するという新たな視点が本研究により与えられました。今後、その視点に立脚した研究が進展すると期待されます。

論文情報

Satoshi Kawashima, Yu Nakabayashi, Kazuko Matsubara, Norihiko Sano, Takemi Enomoto, Kozo Tanaka, Masayuki Seki and Masami Horikoshi,?
“Global analysis of core histones reveals nucleosomal surfaces required for chromosome bi-orientation”,?
EMBO J., 30, 3353-3367 (2011). doi: 10.1038/emboj.2011.241
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分子細胞生物学研究所