UTokyo Research

  • Japanese
  • English
検索閉じる
言語閉じる
  • 日本語
  • 英語
Research News

資源を創る時代の幕開け

人工掘削孔による海底熱水鉱床プランテーション

タグ

工学系研究科・工学部
2016/04/05

© 2016 国立研究開発法人 海洋研究開発機構地球深部探査センター現在、国立研究開発法人海洋研究開発機構海底資源研究開発センターと地球深部探査センターにより共同開発中です。

人工的に海底熱水鉱床を生成する装置の概念図
現在、国立研究開発法人海洋研究開発機構海底資源研究開発センターと地球深部探査センターにより共同開発中です。
© 2016 国立研究開発法人 海洋研究開発機構地球深部探査センター

東京大学大学院工学系研究科エネルギー・資源フロンティアセンター/システム創成学専攻の加藤泰浩教授らの研究グループは、沖縄トラフの海底掘削で形成された人工熱水噴出孔において、有用金属元素を高い濃度で含む鉱物資源が2年という短い期間で急成長したことを明らかにしました。この成果は、海底掘削孔を利用して、人工的に有用金属資源を創り出せる可能性を示しています。

日本は世界第6位の広さの排他的経済水域をもち、その中には様々な海底資源が眠っています。2010年9月に、沖縄トラフ伊平屋北海丘の熱水活動域にて、地球深部探査船「ちきゅう」によって海底が掘削され、複数の人工熱水噴出孔が形成されました。その後の調査により、掘削からわずか2年程度のうちに、銅・鉛・亜鉛などの有用金属元素に富んだ「チムニー」と呼ばれる煙突状の鉱物資源が、15 mもの高さまで成長したことが明らかになりました。

さらに、チムニーの化学組成や鉱物組成を詳細に分析し、熱水から金属が沈殿する過程を定量的に計算した結果、これらのチムニーは海底下から上昇した熱水が周囲の海水に冷やされ、金属元素が硫化鉱物として効率的に沈殿して形成されたことが明らかになりました。特に、「ちきゅう」の掘削により、自然界では生成しにくい直径50 cmを超える大きな熱水の流れが生じたことで、熱水が上昇しながらゆっくりと海水に冷やされ、巨大なチムニーの成長につながった可能性があります。

「資源は様々な場所を探査した末に発見され、採掘されるもの、という考えが根強いと思います。しかし、この発想を転換し、熱水活動域の海底を掘削して多数の人工熱水孔を作り出すことによって資源を人工的に作り出せる可能性があるのです」と加藤教授は話します。「“海底熱水鉱床プランテーション”を創って効率的に採掘する、資源創成という全く新しい海底資源開発手法に将来的につながる糸口となる画期的な成果です」と今後に期待を寄せます。

なお、本成果は地球深部探査船「ちきゅう」を用いて海底を掘削した統合国際深海掘削計画第331次研究航海の掘削孔事後調査として、国立研究開発法人海洋研究開発機構、九州大学、東北大学、早稲田大学と共同で行われた研究によるものです。

プレスリリース

論文情報

Tatsuo Nozaki, Jun-Ichiro Ishibashi, Kazuhiko Shimada, Toshiro Nagase, Yutaro Takaya, Yasuhiro Kato, Shinsuke Kawagucci, Tomoo Watsuji, Takazo Shibuya, Ryoichi Yamada, Tomokazu Saruhashi, Masanori Kyo & Ken Takai, "Rapid growth of mineral deposits at artificial seafloor hydrothermal vents", Scientific Reports Online Edition: 2016/02/25 (Japan time), doi:10.1038/srep22163.
論文へのリンク(掲載誌

関連リンク

大学院工学系研究科

大学院工学系研究科 システム創成学専攻

大学院工学系研究科 システム創成学専攻 加藤・中村研究室

大学院工学系研究科 エネルギー・資源フロンティアセンター

国立研究開発法人 海洋研究開発機構

前の投稿へ 次の投稿へ
Page Top