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Research News

銀河中心にある高い密度の分子ガス円盤が超巨大ブラックホールを育てる

鍵は超新星爆発にあり?

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理学系研究科・理学部
2016/09/30

© 2016 東京大学銀河の中心部に存在する高い密度の分子ガス円盤で超新星爆発が起きる。この爆発によって気流が乱れ、さらに銀河の中心部にある超巨大ブラックホールへガスが流れ込むようになる。

超新星爆発によって、超巨大ブラックホールへガスが供給される様子を描いた想像図
銀河の中心部に存在する高い密度の分子ガス円盤で超新星爆発が起きる。この爆発によって気流が乱れ、さらに銀河の中心部にある超巨大ブラックホールへガスが流れ込むようになる。
© 2016 東京大学

東京大学大学院理学系研究科の泉拓磨大学院生(日本学術振興会特別研究員)らの共同研究チームは、銀河の中心部の数百光年程度の大きさの円盤型の高い密度の分子ガス群(高密度ガス円盤)が、そのさらに内側に存在する超巨大ブラックホールへのガス供給源であることを、アルマ望遠鏡等を用いた電波の観測により発見しました。宇宙の古今にわたるブラックホールがどのように成長をとげてきたか、その理解が深まると期待されます。

多くの銀河の中心には、質量が太陽の100万倍を超える「超巨大ブラックホール」が存在しますが、このようなブラックホールがどのように作られるのかはいまだ解明されていません。一方、銀河の中心領域で星が形成される割合と、超巨大ブラックホールへ落ち込むガスの量(質量降着率)の間には相関関係があることが知られており、星が作られる過程の活動によってブラックホールの成長が促進されるのではないかという予測もあります。

今回、共同研究チームは、南米チリのアルマ望遠鏡等の観測により得られたデータを用いて、銀河の中心、数百光年の領域に存在する円盤型の高密度な分子ガス群が超巨大ブラックホールに直接ガスを供給していることを明らかにしました。さらに、このガス円盤内で星がその一生を終えるときに大爆発を起こす、超新星爆発(星の形成活動に起因する現象)によってガスの気流が乱れ、さらに内側に存在する超巨大ブラックホールへと落ち込むガスの量が増す、という説明(理論モデル)によって、実際に望遠鏡で観測されたガス量の変化(流入・流出の収支)を説明することに成功しました。

「遠く離れた銀河の中心、数百光年という領域は、見た目が小さいため詳細な研究が進んでおらず、ブラックホールがどのように成長するのかを明らかにしようとする研究はこれまであまり進んでいませんでした。今回の成果で、その一端を説明することに成功したので、非常に大きな進歩です」と泉大学院生は話します。「アルマ望遠鏡の性能を活かして、さらなる観測から今後は宇宙の古今にわたったブラックホールがどのように成長してきたのかを、包括的に理解できるような研究につなげたいと考えています」と続けます。

プレスリリース

論文情報

Takuma Izumi, Nozomu Kawakatu, and Kotaro Kohno, "Do Circumnuclear Dense Gas Disks Drive Mass Accretion onto Supermassive Black Holes?", The Astrophysical Journal Online Edition: 2016/08/10 (Japan time), doi:10.3847/0004-637X/827/1/81.
論文へのリンク(掲載誌UTokyo Repository

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