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Research News

新開発 冠動脈狭窄症の血液検査法

質量分析技術が可能にした新しいバイオマーカーの開発

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医学部附属病院
2013/06/28

© The University of Tokyo Hospital. All Rights Rserved.
図: 新規バイオマーカーの臨床的有用性
血管(冠動脈)内に狭窄が生じると、カテーテル治療により治療します。その約半年後に再狭窄が生じる場合と生じない場合があります。本研究では、カテーテル治療後、約半年時点でのカテーテル検査時に患者の血液を採取しました。血液検体中において検出された2種類のBNP断片の強度比を計算し、BNP断片の強度比と再狭窄の有無の相関を調べたところ、相関がみられました。BNP断片の強度比が1.52より大きい値を示した患者ではすべて再狭窄が生じていなかったため、BNP断片を用いて、再狭窄が診断できる可能性が示唆されました。

狭心症の原因となる冠動脈狭窄の治療にはステントやバルーンを用いた心臓カテーテル治療が行われます。しかし、治療後約半年が経過した時点で約1割~3割程度、治療部位が再度狭窄を生じることが問題となっています。これは「再狭窄」とよばれています。そのため、日本では、カテーテル治療後約半年経過時に、通常、再狭窄が生じていないかどうかを確認するためにカテーテル検査が行われています。この検査は狭窄を生じている患者さんにとっては必要な検査ですが、造影剤を使用したり、太い注射針を血管に刺したりするため身体への負担が大きく、放射線被曝の問題もあり、さらに費用も高額であることからも、あらかじめカテーテル検査を受ける必要があるかどうかを簡単にスクリーニングすることが可能な血液検査が求められていました。

このたび、東京大学医学部附属病院 循環器内科・ユビキタス予防医学講座の鈴木亨特任准教授、永井良三前教授、小室一成教授らのグループは、株式会社 島津製作所 基盤技術研究所の藤本宏隆主任研究員と共同で、質量分析計を用いて再狭窄の有無を検出する新しい血液検査法を開発しました。これにより、冠動脈カテーテル治療後の再狭窄の診断において、心臓カテーテル検査を受ける必要があるかどうかを簡単に検出することができるようになり、身体への負担を軽減できる新しい検査方法となることが期待されます。本研究開発の成果は、クリニカル・ケミストリー(Clinical Chemistry)電子版にて5月13日(米国東部夏時間)に発表されました。今後、当院ではこの診断法の実用化を目指します。

プレスリリース

論文情報

Hirotaka Fujimoto, Toru Suzuki, Kenichi Aizawa, Daigo Sawaki, Junichi Ishida, Jiro Ando, Hideo Fujita, Issei Komuro, Ryozo Nagai,
“Processed B-Type Natriuretic Peptide Is a Biomarker of Postinterventional Restenosis in Ischemic Heart Disease”,
Clinical Chemistry 2013/05/13, doi: 10.1373/clinchem.2013.203406.
論文へのリンク

リンク

大学院医学系研究科

大学院医学系研究科 ユビキタス予防医学講座

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