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Research News

生殖細胞の染色体分配様式をつくりだす要のタンパク質をマウスで発見

酵母からヒトまで保存されていた

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分子細胞生物学研究所
2015/03/02

© 2015 渡邊嘉典

© 2015 渡邊嘉典

細胞の分裂には、皮膚などの体細胞で起きているもの(体細胞分裂)と精子や卵子などを作り出す生殖細胞で起きているもの(減数分裂)とがあります。体細胞が分裂する時期に、複製された染色体のつなぎ目(動原体)は、それぞれスピンドル微小管と反対方向の位置で結合し、続いてそれぞれの染色体が反対方向に均等に分配されます(図左上)。一方、精子や卵子の染色体を半分に減らす減数分裂では、体細胞分裂に比べて、父親と母親由来の対応する染色体(相同染色体)を分離する還元分配が1回余分に起きることが知られています(図右上)。この還元分配の過程で、複製された染色体の動原体は同一方向から捕らえられ、分裂の間は接着したままであることが分かっていました(図右上)。しかし、この減数分裂に特徴的な染色体の分裂様式を作り出す根本的な“司令塔因子”の実体は長い間謎に包まれていました。

東京大学分子細胞生物学研究所の金智慧(キム・ジヘイ)特任研究員と渡邊嘉典教授らのグループは、これまで全く機能が分かっていなかった生殖細胞特有の動原体タンパク質をマウスで見つけ、それをマイキン(減数分裂の動原体因子という意味)と名づけました。マイキンの遺伝子を欠損した遺伝子改変マウスでは、還元分配の特徴である、動原体の一方向性および接着の維持がともに欠損していることが分かりました。すなわち、マイキンこそが、それまで探し求められていた減数分裂における染色体分配の司令塔因子であると結論づけました。さらに、マウスと酵母を使った解析から、生殖細胞において染色体を分配する仕組みが、ヒトを含めた多くの生き物において共通である(保存されている)ことを明らかにしました。

ヒトの高齢な女性の卵子では、染色体数の異常が高頻度に見られることが、高齢出産におけるダウン症などの出生異常を引き起こすと考えられています。本研究の成果が、将来的にはヒトの不妊あるいはダウン症の原因解明に大きく寄与すると期待されます。

プレスリリース

論文情報

Jihye Kim, Kei-ichiro Ishiguro, Aya Nambu, Bungo Akiyoshi, Shihori Yokobayashi, Ayano Kagami, Tadashi Ishiguro, Alberto M. Pendas, Naoki Takeda, Yogo Sakakibara, Tomoya S. Kitajima, Yuji Tanno, Takeshi Sakuno & Yoshinori Watanabe, "eikin is a conserved regulator of meiosis-I-specific kinetochore function", Nature Online Edition: 2014/12/25 (Japan time), doi:10.1038/nature14097.
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分子細胞生物学研究所 染色体動態研究分野 渡邊研究室

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