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南鳥島沖で世界最高濃度のレアアース泥を発見 海底面下2~4 m の浅い深度に,6,600 ppmに達する超高濃度レアアース泥が分布

掲載日:2013年5月2日

独立行政法人海洋研究開発機構(理事長 平朝彦、以下「JAMSTEC」という。)海底資源研究プロジェクトの鈴木勝彦主任研究員らと、東京大学(総長 濱田純一)大学院工学系研究科附属エネルギー・資源フロンティアセンターの加藤泰浩教授(JAMSTEC海底資源研究プロジェクト招聘上席研究員)らは、深海調査研究船「かいれい」により本年1月に実施した研究航海において、南鳥島周辺の水深5,600m~5,800mの海底から採取された堆積物のコア試料の化学分析を行い、海底表層付近におけるレアアース濃度の鉛直分布を調べました。

© JAMSTEC and Kato Lab. 南鳥島南方海域で採取されたピストンコアの総レアアース含有量の深度分布。PC05の海底下3m付近に6,600ppmに達する超高濃度レアアース泥が存在する。

© JAMSTEC and Kato Lab. 南鳥島南方海域で採取されたピストンコアの総レアアース含有量の深度分布。PC05の海底下3m付近に6,600ppmに達する超高濃度レアアース泥が存在する。

その結果、南鳥島南方の調査地点において、海底下3m付近に、最高6,500ppm(0.65%)を超える超高濃度のレアアースを含む堆積物(以下「レアアース泥」という。)が存在し、複数の地点で海底下10m以内の浅い深度からレアアース泥が出現することを発見しました。

また、5,000ppmを超える高濃度のレアアースを含む層は、レアアース泥の上端から下1~2メートル以内に存在することが明らかになりました。 それに加えて、今回の調査ではサブボトムプロファイラー(SBP:音響による海底表層地層探査)によって、レアアース泥の出現深度や厚さの情報を効率的に取得できることが分かりました。

これらの研究成果は、南鳥島周辺のレアアース資源の賦存量や分布等、今後の成因解明研究や開発等に必要な科学的知見をもたらすものとして期待されます。本成果は、今後更にデータとその解析結果を加えて、本年5月に開かれる日本地球惑星科学連合2013年大会において、発表する予定です。

プレスリリース

参考文献

Yasuhiro Kato, Koichiro Fujinaga, Kentaro Nakamura, Yutaro Takaya, Kenichi Kitamura, Junichiro Ohta, Ryuichi Toda, Takuya Nakashima & Hikaru Iwamori,
“Deep-sea mud in the Pacific Ocean as a potential resource for rare-earth elements”,
Nature Geoscience 4, 535?539 (2011) doi: 10.1038/ngeo1185.
参考論文へのリンク

リンク

大学院工学系研究科

大学院工学系研究科 エネルギー・資源フロンティアセンター

大学院工学系研究科 エネルギー・資源フロンティアセンター 加藤泰浩研究室

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