UTokyo Research

  • Japanese
  • English
検索閉じる
言語閉じる
  • 日本語
  • 英語
Research News

固体酸素の8つ目の顔

超強磁場中で発見した新しい固体酸素

タグ

物性研究所
2014/07/07

東京大学物性研究所の松田康弘准教授、東京大学大学院新領域創成科学研究科の野村肇宏(としひろ)博士課程2年生は、岡山大学大学院自然科学研究科の小林達生教授らと共同で、酸素分子の新規な固体相を超強磁場下で発見しました。

固体酸素α相(大圧下、低温で3種類存在する固体酸素のうちの一つ)の磁気光透過スペクトルの2次元画像と最高193テスラのパルス磁場波形。強磁場領域において、新しい相の出現に伴って酸素由来の2分子吸収強度の激減と透過光強度の急激な増大が観測された。

© 2014 Yasuhiro H. Matsuda.
固体酸素α相(大圧下、低温で3種類存在する固体酸素のうちの一つ)の磁気光透過スペクトルの2次元画像と最高193テスラのパルス磁場波形。強磁場領域において、新しい相の出現に伴って酸素由来の2分子吸収強度の激減と透過光強度の急激な増大が観測された。

酸素は低温や高圧力下で固相になり、これまでに7種類の相が見つかっています。固体酸素の結晶構造はその磁気的性質と深く関連することが知られていますが、酸素の性質が強い磁場中でどのように変化するのかは分かっていませんでした。今回、破壊型パルス磁場発生技術の1つである“一巻きコイル法”と呼ばれる世界的にもユニークな技術を用いて最大193テスラの超強磁場を発生させ、それにより酸素の相転移を起こすことに成功しました。今回発見された8番目の相は、固体酸素でこれまで知られていた7つの相とは異なった結晶構造(高い対称性を持つ立方晶)をもち、磁気的にも強磁性の特性をもつ酸素であると予測されます。

酸素は身近でかつ重要な元素であり、今回の発見は酸素の理解を深める上で重要な知見であることは間違いないでしょう。今後、酸素分子の有する機能への磁場効果を理解する上で、今回の発見が重要な役割を果たすと期待されます。

以上の成果は、Physical Review Letters誌(6月16日付け)に掲載され、注目論文(Editors’ suggestion)にも選ばれました。またPhysics誌(6月16日付け)においてViewpoint記事に論文が紹介されました。

プレスリリース [PDF]

論文情報

T. Nomura, Y.?H. Matsuda, S. Takeyama, A. Matsuo, K. Kindo, J.?L. Her, and T.?C. Kobayashi,
“Novel Phase of Solid Oxygen Induced by Ultrahigh Magnetic Fields”,
Physical Review Letters Online Edition: 2014/6/16, doi: 10.1103/PhysRevLett.112.247201.
論文へのリンク(掲載誌Viewpoint記事[全文PDFダウンロード可])

リンク

物性研究所

物性研究所 附属国際超強磁場科学研究施設

物性研究所 附属国際超強磁場科学研究施設 松田康弘研究室

前の投稿へ次の投稿へ
Page Top