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Research News

化石から探る海生爬虫類モササウルス類の眼の進化と適応

現生種と化石種の比較による感覚器官の新たな知見

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理学系研究科・理学部
2015/02/25

© 2015 Momo Yamashita.

© 2015 Momo Yamashita.

約9800万年前~6600万年前に生きていたモササウルス類(有鱗目:モササウルス科)は、トカゲ類の仲間であるが、完全に水中での生活に適応していたことが知られている。世界各地から多くの化石が見つかっているが、眼の中の組織は壊れやすいため観察が困難であり、ほとんど研究されてこなかった。
東京大学大学院理学系研究科の山下桃大学院生らは、モササウルス類の化石化した眼の輪っか状の組織、鞏膜輪(きょうまくりん)を現生のトカゲ類と比較することにより、両者では鞏膜輪の骨片の並び方が共通している一方で、骨面のざらつき加減が異なることを発見した。

モササウルス類と現生のトカゲ類とでは、生活環境が異なる。モササウルス類は、生活環境が陸上から水中へ移ったのにも関わらず、現生のトカゲ類の骨片の並び方とは変化がなかったため、この構造はトカゲ類の基本的な構造であり、進化の過程でもその構造が維持されてきたと示唆される。一方、モササウルス類の鞏膜輪の内側面で見られた環状の粗面部分(ざらついた部分)は、陸上と水中では眼の焦点距離の調節の仕方が異なるため、モササウルス類が水中でものを見る(水中視覚)ために適応した痕跡である可能性が示唆された。

鞏膜輪は眼の中で化石として残りやすい唯一の組織であり、視覚機能を探るための大きな手掛かりになる。本研究で得られたモササウルス類の情報を元に、さらに多くのトカゲ類と比較することにより、モササウルス類を含むトカゲ類の視覚機能の理解がさらに進むと期待される。

プレスリリース

論文情報

Momo Yamashita, Takuya Konishi, Tamaki Sato, "Sclerotic rings in mosasaurs (Squamata: Mosasauridae): structures and taxonomic diversity", PLOS ONE Online Edition: 2015/02/19 (Japan time), doi:10.1371/journal.pone.0117079.
論文へのリンク(掲載誌UTokyo Repository

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