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Research News

量子暗号に30年ぶりの新原理

「読まれたら気づく」から「読めない」手法へ

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工学系研究科・工学部
2014/06/04

量子暗号は、量子力学の性質を利用して、盗聴者の計算能力や技術レベルに依存しない強固なセキュリティを持った通信を可能にする技術です。盗聴者が送信者から受信者へと信号が伝わる経路(通信路)を盗み見ると通信路の雑音量が変化するため、既存の量子暗号方式は全て、通信路の雑音量を監視することで、不確定性原理を介して盗聴された情報量を見積るという仕組みに基づいていました。

© 2014 Toshihiko Sasaki.
今回、提案した量子暗号方式の実装法。受信者は可変遅延回路を用いて、任意の光パルス対を重ね合わせて光子検出器で測定する。

東京大学大学院工学系研究科附属光量子科学研究センターの小芦雅斗教授と佐々木寿彦特任研究員は、国立情報学研究所の山本喜久教授とともに、従来とは全く異なる動作原理に基づく量子暗号方式を提案し、通信路の雑音量を監視せずにセキュリティを確保できることを証明しました。新方式は、基本的に通常のレーザー光源と干渉計の組み合わせにより実現可能で、盗聴者は何をしても、一定の小さい情報量しか得られません。

本成果は「読まれたら気づく」方式から、「そもそも読まれない」方式への大きな転換です。従来の方式に比べると、監視に関わる手間が省かれ、雑音が大きい通信路でも秘匿通信が可能になります。この成果は、量子暗号の最初の提案以来30年ぶりに、本質的に新しい量子効果の利用法を提唱するもので、暗号にとどまらず、広範囲な発展が期待されます。

プレスリリース

論文情報

Toshihiko Sasaki, Yoshihisa Yamamoto, Masato Koashi,
“Practical quantum key distribution protocol without monitoring signal disturbance”,
Nature Online Edition: 2014/5/22, doi: 10.1038/nature13303.
論文へのリンク(掲載誌, UTokyo Repository

リンク

大学院工学系研究科

大学院工学系研究科附属 光量子科学研究センター

大学院工学系研究科 物理工学専攻

大学院工学系研究科附属 光量子科学研究センター 小芦研究室

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