UTokyo Research

  • Japanese
  • English
検索閉じる
言語閉じる
  • 日本語
  • 英語
Research News

常温常圧の温和な条件でアンモニアが合成できる触媒の機能を解明

次世代型の窒素固定法の開発へ前進

タグ

工学系研究科・工学部
2014/05/14

窒素は、核酸、アミノ酸、タンパク質などに含まれる生命活の動維持に必須な元素であり、医薬品、化学繊維及び肥料などにも含まれる重要な元素の一つである。窒素の大部分は、鉄系触媒の存在下で窒素ガスと水素ガスからアンモニアを工業的に合成(ハーバー・ボッシュ法)することに利用されている。しかし、この方法は高温高圧(400-600℃、200-400気圧)の条件下で行われるため、より温度も圧力も低い温和な条件下で窒素ガスからアンモニアを合成できる方法が望まれていた。

© 2014 西林仁昭
今回の研究で解明した新しい反応機構の全体像

2010年に東京大学大学院工学系研究科附属総合研究機構の西林仁昭准教授らの研究グループは、2窒素架橋2核モリブデン錯体を触媒に用い、常温常圧の極めて温和な条件下で、アンモニアを合成する方法を開発していた。しかし、この新しい方法の反応機構は未解明であった。

今回、西林准教授らの研究グループと九州大学先導物質化学研究所の吉澤一成教授らの研究グループは共同で、2010年に開発したアンモニアの合成方法の鍵を握る中間物質の開発と単離に成功し、その反応機構を解明した。このアンモニア合成方法では、窒素分子で連結された2個のモリブデン間で電子の受け渡しが起きていた。

今回の成果は、現在のアンモニア合成法であるハーバー・ボッシュ法に代わり得る次世代型の窒素固定法の開発を前進させる重要な研究成果であり、本研究成果を基にして将来的には環境に優しい新しいアンモニア合成法の開発とその大幅なコストダウンの達成が期待できる。

なお、本研究成果は、2014年4月28日の「Nature Communications(ネイチャー・コミュニケーションズ)(英国科学雑誌)」のオンライン速報版で公開された。

プレスリリース

論文情報

Hiromasa Tanaka, Kazuya Arashiba, Shogo Kuriyama, Akira Sasada, Kazunari Nakajima, Kazunari Yoshizawa, Yoshiaki Nishibayashi,
“Unique Behaviour of Dinitrogen-Bridged Dimolybdenum Complexes Bearing Pincer Ligand towards Catalytic Formation of Ammonia”,
Nature Communications, vol. 5, 3737, 2014, doi: 10.1038/ncomms4737.
論文へのリンク

リンク

大学院工学系研究科

大学院工学系研究科附属 総合研究機構

大学院工学系研究科附属 総合研究機構 西林研究室

前の投稿へ次の投稿へ
Page Top