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Research News

アメーバ細胞の自由自在な形状を決定する仕組みを解明

アメーバ内で自己組織化する波動と特異点

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総合文化研究科・教養学部
2013/04/18

© Satoshi Sawai. 細胞性粘菌の細胞膜上のホスファチジルイノシトール-3,4,5-三リン酸(PIP3)の波。色の違いはPIP3の周期的変動の位相を示し、すべての色が1点で交わっている場所が位相の特異点。らせん状の波は位相の特異点の周りで自己充足的に維持され、周辺につたわった波は回転運動を引きおこす。

© Satoshi Sawai. 細胞性粘菌の細胞膜上のホスファチジルイノシトール-3,4,5-三リン酸(PIP3)の波。色の違いはPIP3の周期的変動の位相を示し、すべての色が1点で交わっている場所が位相の特異点。らせん状の波は位相の特異点の周りで自己充足的に維持され、周辺につたわった波は回転運動を引きおこす。

「生物らしさ」を理解する上で、細胞の自発的な挙動やそのランダム性の起源は重要なテーマです。近年、動物、ヒトを含む様々な細胞の形状変化や運動の背後には、膜の裏打ちを伝播する「アクチン波」が存在していることが明らかになってきました(図1A)。この波が、どこで発生し、どの方向に伝播しているかは、細胞の柔軟で可塑的な運動特性を理解する鍵となることから、その決定機構の解明が望まれていました。

東京大学大学院総合文化研究科の澤井哲准教授(兼JSTさきがけ研究員)らの研究グループは、細胞性粘菌アメーバの自発的な形状が、アクチンとそれに付随する膜上のイノシトールリン脂質PIP3シグナルの波の幾何学的特徴により決定されていることを、生細胞イメージング計測によって世界で初めて明らかにしました。この解析によって、アメーバ細胞の自由自在で複雑な形状とその自発性の起源の理解が深まりました。今後、これらの動態の情報をもとに詳細な解析を進めることで、生物の自発的挙動についての基礎的な理解の発展と、ヒト免疫細胞や浸潤するガン細胞などのアメーバ様運動の制御と操作への応用が期待されます。

プレスリリース

論文情報

Daisuke Taniguchi, Shuji Ishihara, Takehiko Oonuki, Mai Honda-Kitahara, Kunihiko Kaneko and Satoshi Sawai,
“Phase geometries of two-dimensional excitable waves govern self-organized morphodynamics of amoeboid cells”,
Proceedings of the National Academy of Sciences Vol 110, No. 13, pp. 5016-5021 doi: 10.1073/pnas.1218025110.
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