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Research News

硫酸化多糖類によってマラリア原虫の感染を抑えるメカニズムを解明

新規マラリア治療薬開発へ

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農学生命科学研究科・農学部
2013/11/21

© Kentaro Kato. マラリア原虫メロゾイトが赤血球に侵入する際、ヘパリンなどの硫酸化多糖類がメロゾイトの先端部に結合する(図左)。メロゾイトの先端部には、侵入時に赤血球表面分子に結合する分子群が存在するが、このうちDuffy binding-like(DBL)タンパク質ファミリーやreticulocyte binding-like(RBL)ファミリーに属する多くの分子にヘパリンが結合することが分かった(図右)。そのため、ヘパリン存在下ではメロゾイト先端部と赤血球との結合が起こらず、メロゾイトは侵入することができない。

熱帯熱マラリアはハマダラ蚊によって媒介される感染症で、熱帯地域を中心に世界中で深刻な健康危害をもたらしています。これまでにワクチンは実用化されていませんが、有効な予防薬、治療薬は多数開発されています。しかし、薬剤耐性マラリア原虫が出現しており、さらなる薬剤の開発が求められています。加えて、ヘパリン等の硫酸化多糖類にはマラリア原虫の増殖を抑制する効果があるとの報告がある一方で、その増殖を抑制する仕組みは明らかではありませんでした。

今回、帯広畜産大学原虫病研究センターおよび東京大学大学院農学生命科学研究科の加藤健太郎らの研究グループは、硫酸化多糖類の一種であるヘパリンが、マラリア原虫メロゾイトの表面に存在する複数のタンパク質に結合することで、強力な侵入阻害を起こすことを明らかにしました。

本研究の成果は、将来硫酸化多糖類やそれに類似した化合物を用いたマラリア治療薬の開発を進めるうえでの基礎的な知見になるとともに、ヘパリンと同様の活性を持つ化合物を人工的に合成することができれば、有効な治療薬となると期待されます。

プレスリリース

論文情報

Kyousuke Kobayashi, Ryo Takano, Hitoshi Takemae, Tatsuki Sugi, Akiko Ishiwa, Haiyan Gong, Frances Recuenco, Tatsuya Iwanaga, Taisuke Horimoto, Hiroomi Akashi, and Kentaro Kato,
“Analyses of interactions between heparin and the apical surface proteins of Plasmodium falciparum”,
Scientific Reports Online Edition: 2013/11/12(Japan time), doi: 10.1038/srep03178.
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大学院農学生命科学研究科

大学院農学生命科学研究科 獣医学専攻

大学院農学生命科学研究科 獣医学専攻 獣医微生物学研究室

帯広畜産大学 原虫病研究センター 地球規模感染症学分野 加藤健太郎研究室

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