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Research News

レーザーが空気中で増幅される機構を解明

窒素分子イオンの第3の電子状態がカギ

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理学系研究科・理学部
2015/09/28

© 2015 Kaoru Yamanouchi.数サイクルレーザーパルスを集光することによって誘起したフィラメントと3つの電子状態間の相互作用によってレーザーが空気中で増幅される機構を示した模式図。

レーザーが空気中で増幅される機構
数サイクルレーザーパルスを集光することによって誘起したフィラメントと3つの電子状態間の相互作用によってレーザーが空気中で増幅される機構を示した模式図。
© 2015 Kaoru Yamanouchi.

東京大学大学院理学系研究科化学専攻の山内薫教授らの研究グループは、空気中でレーザーが増幅される過程の一端を明らかにし、空気中に含まれる窒素分子がイオン化した際、第3の電子状態の存在が重要であることを示しました。今後、さまざまな媒質のレーザープラズマの発光やレーザー増幅機構の解明につながることが期待されます。

従来、物質にレーザーを照射してイオン化すると最もエネルギーの低い電子基底状態の原子イオンや分子イオンが主に生成することが知られていました。しかし、レーザーを用いて空気をイオン化すると、空気に含まれる窒素分子がイオン化した結果、窒素分子イオンが、エネルギーが高い電子状態から低い電子基底状態へ変化する際に391ナノメートルのレーザー発光が観測されますが、なぜ空気をイオン化した場合にそもそもエネルギーの高い電子状態の窒素分子イオンが電子基底状態よりも多く生成される反転分布が実現されるのか、その原因については未解決のままでした。

今回、この反転分布を説明するため、山内教授らは極めて短い数サイクルパルス(4~6フェムト秒)を用いて空気をイオン化する実験を行うとともに、理論モデルを用いた数値シミュレーションを行いました。その結果、レーザー発光に関わらない第3の電子励起状態が、レーザー場の存在によって窒素分子イオンの電子基底状態と強く相互作用して電子基底状態の分布を減らした結果、エネルギーが高い電子状態から電子基底状態の間に反転分布が起きることを示しました。

本成果について、「強いレーザー場の存在によって誘起される、さまざまな媒質のプラズマ発光やレーザー増幅機構の解明につながることが期待されます」と山内教授は話します。

プレスリリース

論文情報

Huailiang Xu, Erik Lötstedt, Atsushi Iwasaki, and Kaoru Yamanouchi, "Sub-10-fs population inversion in N2+ in air lasing through multiple state coupling", Nature Communications Online Edition: 2015/9/25 (Japan time), doi:10.1038/ncomms9347.
論文へのリンク(掲載誌UTokyo Repository

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