UTokyo Research

  • Japanese
  • English
検索閉じる
言語閉じる
  • 日本語
  • 英語
Research News

筋肉の効率的エネルギー産生に必須の因子を発見

COX7RPはミトコンドリア呼吸鎖のスーパー複合体形成を促進

タグ

医学部附属病院
2013/08/21

© Kazuhiro Ikeda and Satoshi Inoue. ミトコンドリア呼吸鎖のスーパー複合体の形成を促進するCOX7RPの骨格筋と褐色脂肪細胞における作用。COX7RPは呼吸鎖複合体IIIとIVを複合体Iに結合させることによってスーパー複合体の形成を促進し、呼吸活性の上昇とそれに引き続くエネルギー(ATP)産生を増加させます。COX7RPは骨格筋では運動持続能に必要なエネルギー産生、褐色脂肪細胞では熱産生に作用することを明らかにしました。COX7RPの作用メカニズムの解明は、様々な生理作用や病気に関係しているミトコンドリアの仕組みを解明する糸口になると期待されます。

酸素を使って脂肪や糖質を燃やす有酸素運動においては、筋肉中の細胞内小器官であるミトコンドリアが必要です。ミトコンドリアで効率的に呼吸反応(呼吸鎖)が行われることにより、筋肉を動かすためのエネルギーが生み出されます。呼吸反応を促進させる酵素群には、5つの複合体が存在し、より効率的な呼吸反応のためには、これらのうちの3つの複合体がさらに巨大なスーパー複合体をつくることが知られていましたが、その仕組みについてはこれまでほとんど明らかになっていませんでした。

今回、東京大学医学部附属病院22世紀医療センター抗加齢医学講座 特任教授の井上聡、埼玉医科大学ゲノム医学研究センター 講師の池田和博らは、ミトコンドリア呼吸鎖のスーパー複合体形成に必要なCOX7RPタンパク質を世界に先駆けて発見しました。COX7RPを欠損させたマウスは持続的な運動ができなくなるのに対して、COX7RPを過剰に発現させたマウスでは運動持続力がのびるマラソンランナー型になることがわかりました。COX7RPは筋肉の運動持続能に必要なエネルギー産生とともに体温維持にも重要であり、内分泌や代謝の異常による病気の新たな治療のターゲットになることが期待されます。

本研究は文部科学省の科学研究費補助金「新学術領域研究」およびセルイノベーション事業の支援を得て行われました。この研究成果は日本時間7月16日午後6時に英国科学雑誌(Nature Communications)に発表されました。

プレスリリース [pdf]

論文情報

Ikeda K, Shiba S, Horie-Inoue K, Shimokata K, Inoue K,
“A stabilizing factor for mitochondrial respiratory supercomplex assembly regulates energy metabolism in muscle”,
Nature Communications 4:2147, doi: 10.1038/ncomms3147.
論文へのリンク

リンク

大学院医学系研究科

医学部附属病院 抗加齢医学講座

前の投稿へ次の投稿へ
Page Top