UTokyo Research

  • Japanese
  • English
検索閉じる
言語閉じる
  • 日本語
  • 英語
Research News

ヒトからハエまで共通した頭部形成の分子メカニズムを解明

カエル胚の形成体の研究からわかったこと

タグ

理学系研究科・理学部
2014/08/19

遺伝子のスイッチを操作する遺伝子制御タンパク質のOtxは、ヒトからハエまでの「頭部をもつ動物」に共通に存在し、初期胚の頭部形成に関わることが知られていた。しかし、ヒトとハエの頭部は互いに全く異なる形態をもっているため、その形成になぜ同じタンパク質が、またどのようにして関わるかが不明であった。

ChIPシークエンス解析結果の一例。各種タンパク質がネッタイツメガエル胚のゲノムのどこに結合しているのかをピークで示している。図の例は、初期発生における重要な遺伝子(chordin)の近傍に、これらのタンパク質が結合してその遺伝子の発現を調節していることを示唆している。本研究ではchordin遺伝子の上流にOtx2とLim1が結合することで、オーガナイザーにおいてこの遺伝子のスイッチをオンにすることが示された。

© 2014 安岡有理、平良眞規
ChIPシークエンス解析結果の一例。各種タンパク質がネッタイツメガエル胚のゲノムのどこに結合しているのかをピークで示している。図の例は、初期発生における重要な遺伝子(chordin)の近傍に、これらのタンパク質が結合してその遺伝子の発現を調節していることを示唆している。本研究ではchordin遺伝子の上流にOtx2とLim1が結合することで、オーガナイザーにおいてこの遺伝子のスイッチをオンにすることが示された。

東京大学大学院理学系研究科の平良眞規准教授と安岡有理博士(現:沖縄科学技術大学院大学・日本学術振興会特別研究員PD、当時:東京大学大学院理学系研究科大学院生)らの研究グループは、ツメガエルの胚と最新の次世代シークエンス技術を駆使して、頭部形成の分子メカニズムを解析した。その結果、ツメガエルのOtxタンパク質は、さまざまな遺伝子のスイッチである制御領域に結合し、遺伝子制御タンパク質のLim1と一緒に標的遺伝子を活性化する(遺伝子のスイッチをオンにする)一方、Gscと一緒に標的遺伝子を抑制する(遺伝子のスイッチをオフにする)ことを突き止めた。すなわち、Otxは胚の中で頭部という場を決め、その場所でどのような形態を作るかは、Otxが一緒に結合する他の遺伝子制御タンパク質によって決まり、頭部形成に必要な遺伝子を活性化し、頭部形成を妨げる遺伝子を抑制することで、ヒトとハエはそれぞれ7億年をかけて異なる頭部を進化させてきたと示唆される。

なお、本研究は東京大学大学院新領域創成科学研究科の菅野純夫教授の研究グループと、産業総合研究所の浅島誠博士の研究グループとの共同研究により行われた。

プレスリリース

論文情報

Yuuri Yasuoka, Yutaka Suzuki, Shuji Takahashi, Haruka Someya, Norihiro Sudou, Yoshikazu Haramoto, Ken W. Cho, Makoto Asashima, Sumio Sugano & Masanori Taira,
“Occupancy of tissue-specific cis-regulatory modules by Otx2 and TLE/Groucho for embryonic head specification” ,
Nature Communications 5, Article number: 4322, Online Edition: 2014/7/9 (Japan time), doi: 10.1038/ncomms5322.
論文へのリンク

リンク

大学院理学系研究科

大学院理学系研究科 生物科学専攻

大学院理学系研究科 生物科学専攻 分子生物学研究室

沖縄科学技術大学院大学 ニュースセンター 進化発生学の新たなステージを拓く

前の投稿へ次の投稿へ
Page Top