UTokyo Research

  • Japanese
  • English
検索閉じる
言語閉じる
  • 日本語
  • 英語
Research News

歯周靭帯(歯根膜)の成熟と機能を特徴づける分子を発見

歯の萌出とともに発現し細胞接着を増強する分子テノモジュリン

タグ

医学部附属病院
工学系研究科・工学部
2013/05/10

歯周靭帯(歯根膜)は顎骨内に歯を牽引固定する重要な組織であり、咬合力への抵抗性、接触感覚などの重要な機能を担っています。一方で、口腔衛生状態の低下によって歯周炎に罹患すると破壊されてしまい、失われた歯周靭帯を再生させることは非常に困難で、今のところ歯周靭帯を含め、歯周組織を完全に再生させる有効な療法はありません。現在、歯周組織を再生する研究は多岐に展開していますが、機能的な再生を評価する指標が乏しく、再生組織が腱・靭帯としての性格を有することを評価できませんでした。

© Yuske Komiyama. 歯周靭帯におけるTenomodulin(Tnmd)の発現は萌出に関連しておこる(A)。TnmdにはBRICHOSドメイン、CS領域、CTDドメインの三つの構造が含まれる(B-a)。In vitroでのTnmdの機能解析から、Tnmdを強制的に発現すると細胞接着が増強し(B-b)、この細胞接着増強効果はTnmdノックアウトマウス由来線維芽細胞では減弱した(B-c)。Tnmdのドメイン欠失変異体を作製し、細胞接着効果を検討したところ、BRICHOSドメインおよびCS領域で細胞接着増強効果が見られず、Tnmdの機能発揮に重要である事が明らかとなった(B-d)。

東京大学医学部附属病院集中治療部の小宮山雄介博士、東京大学大学院工学系研究科バイオエンジニアリング専攻の大庭伸介特任准教授・鄭雄一教授らのグループは、ドイツ ルートヴィッヒ・マクシミリアン大学のDenitsa Docheva講師、京都大学再生医科学研究所の宿南知佐准教授・開裕司教授との共同研究で、テノモジュリン(Tenomodulin、以下Tnmd)という分子が、歯周靭帯の発生と機能に関わることを新たに見出しました。Tnmdは成熟腱・靭帯組織のマーカー分子であるのみならず、機能的にも腱・靭帯組織を特徴づける分子であると考えられます。本成果が、歯周靭帯をはじめとする腱・靭帯組織の再生医療において、機能的な組織の再生療法を開発する際の足がかりとなることが期待されます。

プレスリリース

論文情報

Yuske Komiyama, Shinsuke Ohba, Nobuyuki Shimohata, Keiji Nakajima, Hironori Hojo, Fumiko Yano, Tsuyoshi Takato, Denitsa Docheva, Chisa Shukunami, Yuji Hiraki, Ung-il Chung,
“Tenomodulin expression in the periodontal ligament enhances cellular adhesion”,
PLOS ONE Online Edition: 2013/4/10. doi: 10.1371/journal.pone.0060203.
論文へのリンク

リンク

大学院工学系研究科

大学院医学系研究科

大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻

大学院医学系研究科 骨軟骨発生・再生研究グループ

前の投稿へ次の投稿へ
Page Top