UTokyo Research

  • Japanese
  • English
検索閉じる
言語閉じる
  • 日本語
  • 英語
Research News

覚醒剤による精神病と関連した脳体積減少

覚醒剤精神病における前頭極と左半球シルビウス裂周辺構造物の灰白質体積減少

タグ

医学部附属病院
2013/07/31

覚醒剤使用により、幻覚や妄想など統合失調症に類似した症状を呈することは古くから知られており、これらの症状は覚醒剤精神病と呼ばれています。症候学的類似に加えて、覚醒剤精神病の患者は、ドパミン受容体拮抗薬への反応性も統合失調症患者に類似しており、統合失調症の外因性モデルとして注目されてきました。

© Hidenori Yamasue, 覚醒剤精神病患者群20名において年齢や性別等の背景情報に差のない健常対照群20名と比較して脳局所体積が小さかった灰白質・白質領域をMRI断面上に図示

本研究では、幻聴などの精神病症状の神経基盤と考えられている脳の左半球において、前頭葉・頭頂葉・側頭葉を区別するヒトの脳に特有の深い溝(外側溝あるいはシルビウス溝という)の付近に位置している下前頭回や上側頭回などシルビウス裂周辺構造物といった特定の部位で灰白質体積が減少していることを、覚醒剤精神病患者の脳で認めました。これは、統合失調症患者の脳でもよく見られる現象です。さらに、反事実的選択の考察や理性的判断の神経基盤と考えられている前頭極皮質、報酬系意志決定の神経基盤とされる前頭眼窩野の体積減少が示されました。また、前頭極皮質の体積減少と精神病症状の重症度は相関関係にありました。これらの成果は、世界初の覚醒剤精神病患者を対象とした画像統計解析研究によるもので、覚醒剤精神病の病態形成に重要な役割を担う脳領域を示しました。

本研究は、東京大学、都立松沢病院、富山大学の共同研究で、文部科学省「脳科学研究戦略推進プログラム」の一環として、また科学研究費補助金 若手研究(A)(22689034)などの助成を受けて行なわれました。

論文情報

Yuta Aoki, Lina Orikabe, Yoichiro Takayanagi, Noriaki Yahata, Yuriko Mozue, Yasuhiko Sudo, Tatsuji Ishii, Masanari Itokawa, Michio Suzuki, Masataka Kurachi, Yuji Okazaki, Kiyoto Kasai, Hidenori Yamasue,
“Volume reductions in frontopolar and left perisylvian cortices in methamphetamine induced psychosis”,
Schizophrenia Research 2013/5/20, doi: 10.1016/j.schres.2013.04.029.
論文へのリンク

リンク

大学院医学系研究科

大学院医学系研究科 医学部精神医学分野

前の投稿へ次の投稿へ
Page Top