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Research News

電子軌道の量子揺らぎによる新しい超伝導

電子の形(電子軌道)を利用した物質科学研究の新たな方向性

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物性研究所
2015/02/10

© 2015 Masaki Tsujimoto, Yosuke Matsumoto, Satoru Nakatsuji

© 2015 Masaki Tsujimoto, Yosuke Matsumoto, Satoru Nakatsuji

低温で電子がクーパー対と呼ばれる対を形成することで金属の電気抵抗がゼロになる現象、超伝導は、工業的な応用の観点からも重要視され、これまで盛んに研究されてきました。超伝導の源であるクーパー対は一般に格子振動と呼ばれる非磁性の引力によって形成されると考えられてきました。一方、近年の研究から、銅酸化物などの磁性体で現れる高温超伝導体等は、スピンと呼ばれる電子が持つ非常に小さな磁石の揺らぎが、電子対の形成を引き起こしていることが分かってきました。

今回、東京大学物性研究所の松本洋介助教、同大学院新領域創成科学研究科博士課程の辻本真規大学院生、同物性研究所の中辻知准教授らの研究グループは、希土類金属間化合物 PrV2Al20(Pr:プラセオジム、V:バナジウム、Al:アルミニウム)において、上記のこれまでの機構とは異なり、電子の形(電子軌道)の揺らぎを媒介とした新しいタイプの重い電子系の超伝導が常圧下(1気圧)で初めて実現していることを明らかにしました。さらに、この超伝導は、電子軌道の量子揺らぎを強く伴うために異常な振る舞いを示す金属状態から出現することがわかりました。

この新たな電子の対形成メカニズムの発見は、超伝導研究の新たなブレークスルーとなる可能性を秘めていると同時に、電子軌道を用いた新たな物質科学研究の方向性を提示する重要な成果です。

プレスリリース [PDF]

論文情報

Masaki Tsujimoto, Yosuke Matsumoto, Takahiro Tomita, Akito Sakai, and Satoru Nakatsuji, "Heavy Fermion Superconductivity in the Quadrupole Ordered State of PrV2Al20", Physical Review Letters Online Edition: 2014/12/23 (Japan time), doi:10.1103/PhysRevLett.113.267001.
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