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タンパク質複合体に共通するサブユニットの解析 共通サブユニットの機能をタンパク質複合体ごとに初めて成功

掲載日:2014年2月4日

生体反応の中心因子であるタンパク質は、多くの場合、他のタンパク質と複合体を形成し、マルチサブユニット複合体として存在する。また、複数のマルチサブユニット複合体には、共通に存在するタンパク質 (共通サブユニット) が数多く知られている。しかし、共通サブユニットの働きを解析する方法は確立されていなかった。

© Masami Horikoshi. FALC(Functional Analysis of Linker-mediated Complex)法の原理

今回、東京大学分子細胞生物学研究所の堀越正美准教授と東北薬科大学の関政幸教授らは、共通サブユニットの働きを解析する方法(FALC法: Functional Analysis of Linker-mediated Complex)を開発し、共通サブユニットの個々の複合体中の働きを解明することに成功した。具体的には、2種類の異なるヌクレソーム(複合体)に共通するサブユニットを別々のサブユニットにつなげて2種類の融合タンパク質を作製し、その融合タンパク質の状態で共通サブユニットに変異を導入することで、個々のヌクレソームにおける共通サブユニットの働きが明らかとなった。

開発した方法はタンパク質複合体中に存在する共通サブユニットの機能を解析する一般的な方法となり得るため、あらゆる研究対象領域で働くマルチサブユニット複合体の共通サブユニットの機能解析に役立つものと期待される。

プレスリリース

論文情報

Yu Nakabayashi, Satoshi Kawashima, Takemi Enomoto, Masayuki Seki and Masami Horikoshi,
“Roles of common subunits within distinct multisubunit complexes”,
Proceedings of the National Academy of Sciences 111 (2014) : 699-704, doi: 10.1073/pnas.1316433111.
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分子細胞生物学研究所 発生分化構造研究分野

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