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接着剤なしでフィルム・ガラスを接合する常温接合手法  

掲載日:2012年5月28日

中間層を用いた表面活性化接合によるPolyethylene Naphthalate (PEN)フィルムとガラスの接合サンプル写真 © Tadatomo Suga

中間層を用いた表面活性化接合によるPolyethylene Naphthalate (PEN)フィルムとガラスの接合サンプル写真
© Tadatomo Suga

東京大学工学系研究科精密工学専攻の須賀教授らは、ランテクニカルサービス株式会社(代表取締役社長・松本好家)と共同で、接着剤なしでフィルム・ガラスを接合する新しい表面活性化常温接合の手法を開発しました。材料表面を高真空中でArイオンビーム照射によって活性化することで材料どうしを接合する表面活性化接合によって、シリコンや金属など多くの材料が室温で接合可能であることが報告されています。しかし従来の高分子フィルムの接合では、表面活性化の際にArイオンビーム照射のダメージによって高分子フィルム表面の劣化が起こり、十分な接合強度がでないといった問題がありました。

今回、フィルム表面の劣化を防ぐため、10nm程度のシリコンないしは金属の中間層と1 nm程度のナノ密着層を組み合わせた表面活性化手法により高分子フィルム材料同士、あるいは高分子フィルムとガラスの常温接合に成功したものです。本手法では、従来の接着剤による接合に比べ、ナノレベルの非常に薄い層によって接合できることから、低いガス透過性をもつ封止が実現され、有機ディスプレイや太陽電池の製造に適用されることが期待されます。

プレスリリース

論文情報

Tadatomo Suga, Takashi Matsumae, Yoshiie Matsumoto, Masashi Nakano,
“Direct Bonding of Polymer to Glass Wafers using Surface Activated Bonding (SAB) Method at Room Temperature”,
Proceedings of the 3rd International IEEE Workshop on Low Temperature Bonding for 3D Integration, May 22- June 23, 2012.
論文へのリンク

リンク

大学院工学系研究科

精密工学専攻

実装工学分野研究室

ランテクニカルサービス株式会社

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