UTokyo Research

  • Japanese
  • English
検索閉じる
言語閉じる
  • 日本語
  • 英語
Research News

オスらしさを高めるフェロモンの作用をマウスで発見

フェロモンに新しい概念

タグ

農学生命科学研究科・農学部
2016/05/11

© 2016 Kazushige Touhara.性フェロモンESP1は、異性の性行動を促すだけでなく、同性の他のマウスに対して攻撃を誘発し、さらにはESP1を分泌する自分自身の攻撃性も高める。

性フェロモンESP1の作用
性フェロモンESP1は、異性の性行動を促すだけでなく、同性の他のマウスに対して攻撃を誘発し、さらにはESP1を分泌する自分自身の攻撃性も高める。
© 2016 Kazushige Touhara.

東京大学大学院農学生命科学研究科の東原和成教授らの研究グループは、オスの涙に含まれる性フェロモンESP1は、メスに作用して性行動を促すというこれまでの知見に加えて、同性の他のマウスに対しても、さらには涙液をだす自分自身にも作用して攻撃性を高めることを今回新たに見出しました。本成果はフェロモンの新しい概念を提供する発見です。

オスのマウスの涙には、ESP1というフェロモンが含まれることが知られています。これまで研究グループは、ESP1がオスのマウスから分泌されてメスのマウスに受容されると、メスの鼻の下部にある鋤鼻器官と呼ばれる感覚器官が刺激されて、メスの性行動が促進することを明らかにしていました。しかし、ESP1フェロモンが他のオスに対してどのような作用があるかは不明でした。

研究グループは、オスのマウスの攻撃性は、自分とは異なる他のオスのマウスのESP1と尿によって、高まることを見いだしました。さらに、ESP1が分泌するオスマウス自身にも作用することによって、自身の攻撃性がさらに高まることがわかりました。オスのマウスでは、性成熟とともにESP1の分泌が増加することが知られています。したがって、性成熟時に分泌したESP1を自分で受容することによって、攻撃性が上昇することを示唆しています。

「今回の成果は、性フェロモンが異性に作用するだけでなく、同性の他のマウスや、さらには分泌する自分自身にも作用するという、フェロモンの新しい概念を提供する発見です」と東原教授は今回の研究の意義を説明します。「マウスの行動がフェロモンを含む他のどのような化学感覚シグナルによって制御されているか、その理解を深めるもので、今後、哺乳類の情動や行動を支配・制御する脳神経回路の解明に向けて、有用な基礎研究基盤となるものです」と続けます。

なお、本成果は麻布大学獣医学部との共同研究によって得られたものです。

プレスリリース

論文情報

Tatsuya Hattori, Takuya Osakada, Ayaka Matsumoto, Naoki Matsuo, Sachiko Haga-Yamanaka, Takaya Nishida, Yuji Mori, Kazutaka Mogi, Kazushige Touhara and Takefumi Kikusui, "Self-exposure to the male pheromone ESP1 enhances male aggressiveness in mice", Current Biology Online Edition: 2016/04/14 (Japan time), doi:10.1016/j.cub.2016.03.029.
論文へのリンク(掲載誌

関連リンク

大学院農学生命科学研究科

大学院農学生命科学研究科 応用生命化学専攻

大学院農学生命科学研究科 応用生命化学専攻 生物化学研究室

前の投稿へ 次の投稿へ
Page Top