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Research News

カイコの性はたった一つの小さなRNAが決定する

80年来の謎をついに解明!カイコの性決定メカニズム

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農学生命科学研究科・農学部
2014/05/29

© 2014 川本宗孝
カイコの性決定に関する一連の反応(カイコの性決定カスケードモデル図)。カイコの雌性を決定するスイッチは29塩基の小分子RNA(piRNA)であり、雄化遺伝子MascのmRNAを切断することで、雌化を誘導する。

日本の蚕糸業を支えてきた農業生物であるカイコには、ヒトと同様に雌雄の性別の区別があります。ヒトの性別はY染色体の有無で決まりますが、カイコの性別は、W染色体の有無によって決まります。カイコではW染色体が存在するとそのカイコは雌になります。このことから、W染色体上には雌を決定する遺伝子が存在していると考えられてきました。しかしながら、多くの遺伝学者の長きに亘る研究にもかかわらず、その実体は明らかになっていませんでした。

今回、東京大学大学院農学生命科学研究科の勝間進准教授の研究グループは、カイコの雌性を決定するW染色体から産生される29の塩基からなる短いRNAが、カイコの雌性を決定するスイッチであることを明らかにし、約80年間の謎を解くことに成功しました。このRNAは、タンパク質になることはないRNAの一種で、主に生殖細胞でのみで働く小分子RNAです(piRNA)。また、研究グループは、カイコの雌性を決定するRNA(piRNA)が、カイコの雄性を決定するタンパク質になるRNA(mRNA)産生との循環的な仕組み(ピンポンサイクル)によって産生されることを明らかにしました。

本成果は、小分子RNAが性を決めるという生物界でこれまでに報告のない驚くべき発見です。また、この成果を足がかりにして、カイコをはじめとするチョウ目昆虫の性を操作する技術や新規の害虫を防除する技術の開発につながると期待されます。

プレスリリース

論文情報

Takashi Kiuchi, Hikaru Koga, Munetaka Kawamoto, Keisuke Shoji, Hiroki Sakai, Yuji Arai, Genki Ishihara, Shinpei Kawaoka, Sumio Sugano, Toru Shimada, Yutaka Suzuki, Masataka G. Suzuki, Susumu Katsuma,
“A single female-specific piRNA is the primary determiner of sex in the silkworm”,
Nature Online Edition: 2014/5/14, doi: 10.1038/nature13315.
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