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Research News

世界最速で切り替わる小さな光スイッチタンパク質

光で指令を与えて細胞を意のままにコントロール

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総合文化研究科・教養学部
2015/05/28

© 2015 Fuun Kawano and Moritoshi Sato.今回開発した光スイッチタンパク質が青色光の有無によってスイッチとして働く様子。まず、光受容体ヴィヴィッドの対がお互いを認識しやすくなる(二量体形成の選択性の向上)ような変異をそれぞれの界面に加えた。次に、補因子結合領域と呼ばれる領域に「スイッチオフ速度の高速化」と「二量体形成効率の向上」を同時に満たす変異を加えた。光スイッチタンパク質は、さまざまなタンパク質(例えば、タンパク質 A とタンパク質 B) と遺伝子工学的に連結させるだけで、それらの活性を光でコントロールすることができる。

今回開発した光スイッチタンパク質が青色光の有無によってスイッチとして働く様子
今回開発した光スイッチタンパク質が青色光の有無によってスイッチとして働く様子。まず、光受容体ヴィヴィッドの対がお互いを認識しやすくなる(二量体形成の選択性の向上)ような変異をそれぞれの界面に加えた。次に、補因子結合領域と呼ばれる領域に「スイッチオフ速度の高速化」と「二量体形成効率の向上」を同時に満たす変異を加えた。光スイッチタンパク質は、さまざまなタンパク質(例えば、タンパク質 A とタンパク質 B) と遺伝子工学的に連結させるだけで、それらの活性を光でコントロールすることができる。
© 2015 Fuun Kawano and Moritoshi Sato.

東京大学大学院総合文化研究科の河野風雲特任研究員、佐藤守俊准教授らの研究グループは、さまざまな生体分子の細胞内でのはたらきを、光を用いて非常に高い精度で意のままにコントロールできる小さな光スイッチタンパク質の開発に成功しました。

光スイッチタンパク質は、光の照射の有無によって構造が変化するため、この特性を利用すると、さまざまな現象を光で操ることができます。従来、光スイッチタンパク質として使われていた天然の光受容体は、分子量が大きく、かつ、光の照射や遮断に対する反応の速度が非常に遅いことが、非常に高い精度でタンパク質をコントロールするための大きな制約となっていました。

本研究グループは、カビが有するヴィヴィッドと呼ばれる非常に小さな光受容体に着目し、遺伝子工学的手法を用いてヴィヴィッドにさまざまな改変を加えました。その結果、秒単位の速度で光の照射や遮断に反応して、あたかもスイッチのようにコントロール可能な小さな光スイッチタンパク質を開発することに成功しました。この光スイッチタンパク質は「マグネット」と命名しました。さらに、マグネットを用いて、細胞の進む方向(細胞極性)を自由自在に光(青色光)でコントロールできることを示しました。

この新しい光スイッチタンパク質は、細胞内での生体分子の機能解明に貢献するとともに、生体内において、任意の場所に細胞を集める技術や、任意の場所で細胞を増殖・分化・死滅させる技術、任意の組織で遺伝子治療を行う技術等への展開が期待されます。

プレスリリース

論文情報

Fuun Kawano, Hideyuki Suzuki, Akihiro Furuya, Moritoshi Sato, "Engineered pairs of distinct photoswitches for optogenetic control of cellular proteins", Nature Communications Online Edition: 2015/2/24 (Japan time), doi:10.1038/ncomms7256.
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