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肝臓の再生を担う肝細胞の驚くべき性質を解明 肝細胞の肥大と特殊な細胞分裂による肝臓の再生

掲載日:2012年6月11日

肝細胞の核(青色)と輪郭(緑色)を可視化した。肝再生後の肝細胞(右)は、平常時の肝細胞(左)に比較して顕著に大きくなっていた。&copy Yuichiro Miyaoka

肝細胞の核(青色)と輪郭(緑色)を可視化した。肝再生後の肝細胞(右)は、平常時の肝細胞(左)に比較して顕著に大きくなっていた。© Yuichiro Miyaoka

肝臓は非常に高い再生能力を持ち、マウス肝臓の70%を切除しても元の重量と機能を回復する。これまで、肝重量の大部分を占める肝細胞の分裂が肝再生を担うと考えられてきたが、その直接的証拠はなかった。

今回、東京大学分子細胞生物学研究所の宮岡佑一郎助教(現UCSF)と宮島篤教授らは、肝再生には肝細胞の分裂よりもむしろ肥大がより重要であること、さらに肝再生中に肝細胞が非常に特殊な細胞分裂を行うことを突き止め、これまでの肝再生研究の常識を覆す結果を得た。

重篤な肝疾患に対する生体肝移植は、レシピエントのみならずドナーにも危険を伴う。肝再生を司るメカニズムをより深く知ることが、より安全で効率的な肝移植の開発へと繋がることが期待される。

プレスリリース

論文情報

Yuichiro Miyaoka, Kazuki Ebato, Hidenori Kato, Satoko Arakawa, Shigeomi Shimizu, Atsushi Miyajima,
“Hypertrophy and Unconventional Cell Division of Hepatocytes Underlie Liver Regeneration”,
Current Biology Online Edition: 2012/6/1 (Japan time), doi: 10.1016/j.cub.2012.05.016.
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