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Research News

アヘン戦争を報(しら)せよ

オランダ人が日本に伝えたかった海外情報

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史料編纂所
2013/07/18

江戸時代、幕府は極端な対外政策を敷いていましたが、それでも外国から様々なものが日本に入って来ていました。その内のひとつに、オランダ人がもたらした海外情報「別段風説書(べつだんふうせつがき)」があります。1840年から1857年まで幕府に提出され、はじめはアヘン戦争のみの内容でしたが、1846年以降は様々な地域の情報が盛り込まれるようになりました。これにより、ペリー来航の情報が事前に知らされていたことは有名です。

松方冬子編『別段風説書が語る19世紀-翻訳と研究-』(東京:東京大学出版会、2012年)

この別段風説書のオランダ語原文は、通詞達によって日本語に翻訳されましたが、その作業はとても困難を要するものでした。なぜなら、それまで全く触れたことのない出来事を、「条約」や「植民地」などの近代日本語の語彙もない中で、翻訳しなければならなかったからです。そのため日本語訳は難解な箇所も多く、これまで扱いづらい史料でした。 

そこで、東京大学史料編纂所松方冬子准教授の研究グループは、別段風説書のオランダ語原文から現代日本語訳を作成しました。これにより当時のオランダ人が日本に伝えようとした情報を正確に把握でき、また当時の通詞による日本語訳との比較も可能となりました。新しい時代へと移行しつつあった当時の日本人の思考を検討する際に、大いに役立つものと考えられています。

書誌情報

松方冬子編
『別段風説書が語る19世紀-翻訳と研究-』(東京:東京大学出版会、2012年)

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