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Research News

PANSYレーダー、南極最大の大気レーダーに

南極対流圏・成層圏の高解像度観測始まる

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理学系研究科・理学部
2012/07/18

2012年5月5~8日に観測された大気散乱エコー強度の時間高度断面図 © University of Tokyo/NIPR/Kyoto University (K. Sato, M. Tsutsumi, T. Sato) 
オレンジの○は昭和基地における気象庁のラジオゾンデ観測により得られた対流圏界面の位置。対流圏界面ではエコー強度が強くなっており、時間的に大きく変動していることが明瞭にとらえられている。

南極昭和基地大型大気レーダー(PANSYレーダー)(PANSY:Program of the Antarctic Syowa MST/IS radar、東京大学大学院理学系研究科佐藤薫教授代表)は、2012年5月初めに、第53次南極地域観測隊により全体の1/4にあたるシステムの調整を終え、オーストラリアDavis基地の中型の大気レーダーを超えて、南極最大の大型大気レーダーとしての本格観測を開始した。これによってブリザードをもたらす極域低気圧の物理的解明や、オゾンホールにも関係する対流圏界面の時間変動などの研究が可能となる。現在、きわめて良好なデータが得られており、対流圏と成層圏の空気交換の様子がわかってきた。

PANSYレーダーは、第52次南極地域観測隊により2011年2月に南極昭和基地に建設された世界初の南極大型大気レーダーである。国立極地研究所堤雅基准教授を中心とする作業チームにより同年3月に部分稼動による初期観測に成功したが、その後の記録的な大雪被害のため、観測を中断していた。第53次隊では、18年ぶりの南極観測船「しらせ」の接岸断念という非常事態となったが、京都大学大学院情報学研究科佐藤亨教授を中心とする作業チームはこれを乗り越え、2011年12月下旬からの約1か月半の夏期間に、予定されていたアンテナの大移設作業を完遂した。そして、越冬中に予定されていた1/4のシステム調整を本年5月に終え、対流圏・下部成層圏の本格観測を開始した。

2012年11月出発予定の第54次隊では、PANSYレーダーフルシステムを稼働させる予定。これによってさらに上空の中間圏や電離圏での大気現象の解明にも取り組む。環境が苛酷であるため他の緯度帯に比べて遅れがちであった南極大気の観測的研究に大きな進歩がもたらされ、気候の将来予測の精度向上などが期待される。

リンク

大学院理学系研究科

南極昭和基地大型大気レーダー計画(PANSY)

過去の記事(2010年11月12日):昭和基地に世界初の南極大型大気レーダーを設置

過去の記事(2011年4月25日):南極大型大気レーダー初観測に成功

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