【Campus Voice】「運動会を支える。」(運動部学生レポート)

第58回全国七大学総合体育大会(通称:七大戦)開会式での挨拶(左)、運動会公式マスコットキャラクター「イチ公」(右)

「運動会を支える。」

東京大学運動会総務部委員長を務めております徐 聖子と申します。女子中高生の皆様に東京大学を目指す原動力の内のちょっとにでもなれるような学生生活レポートを書きたいと思います。
今回は「運動会女子」という枠で呼んでいただきましたが、私は「運動部に所属している女子」では無い「運動会女子」です。

・徐 聖子
桜蔭中学・高校卒業、東京大学理科II類入学。現在は工学部化学システム工学科4年生で、4月から平尾・杉山研究室に所属。

そもそも運動会とは

運動会というのは他大学で一般的に「体育会」と呼ばれるものですが、東大の運動会は、運動部だけではなく、運動会に入会してくださった本学の学生の皆様で構成されています。私自身、運動部には所属しておりません。
運動会総務部は、正式名称を運動会総務委員会と呼びます。いわゆる体育会本部です。運動会総務部は運動会の中枢を担い、東大のスポーツ水準向上のため活動している組織です。私は運動会委員長を務めております。つまり運動会の責任者って感じです。そのため関わる人がとても多いです。運動部ともめちゃくちゃ関わる機会が多いので、知り合いが本当に増えます。
  • 運動会主催のイベント:スケート講習会の様子。大盛況でした。

私自身の話

【東大への志望を決めた時期とそのきっかけ】
中高一貫の、進学校とよばれる女子校に入りました。私には10歳年上の兄がいて、私が小学生の頃に東京大学に入学しました。その頃の無知な私には「東京大学」が何かは知らないけど周りから兄がもてはやされているのを見て、私も「もてはやされたい!」と不純な理由から、小学生の頃より「東京大学」に私にも入ってやる、と思っていたと思います。中学受験した後、歳をとるにつれ「東京大学」がそんなにホイホイ入れる大学では無いことを少しずつ悟り始めました。勉強も好きではなかったので毎日を何も考えずに過ごしていました。漫画読んだりアニメ見たり、友達と遊んだり好き放題していました。

高校に入った後、周りが受験生モードになりました。先ほども申し上げました通り、私の学校は進学校だったので東大を受験するのが当たり前みたいな風潮がありました。私は決して成績が良い方ではなかったですが、「とりあえずトップの東大目指しておけば、成績上がりそうだな。目標は高い方がいい。」とぼんやり考えて、高2になってからの文理選択をする際に東京大学理科II類を目指そうと決めました。理系にした理由としては、暗記が苦手だったので社会科目から避けるため、理科II類にした理由としては例え受かったとしたら女子が多いって聞いたから、です。私は気分屋なので、どうせ今から将来何になるかを考えても数日後には気が変わってそうだな、と思ったので理科II類に入ってからどうしようとかは一切考えていなかったですし、今も実は考えていないです。当時高校生の時の私は進路相談で先生方に「ちゃんと将来考えて」などと言われましたが、私の考えとしては、何も将来について明確に定めないことで、色々勉強するきっかけになるんじゃないかなっていうことです。私は勉強が好きではないので、何か一つのことに定めたら、他の分野を一切触れずに生きていきそうだと自己分析して思ったからです。他人に何を言われても、自分の中でちゃんとした理由があれば、聞き流して良いと思います。あくまで私の意見です。


【部活を選んだ理由】
運動会総務部がいわゆる世間的な「部活!」かというと微妙なラインです。運動は一切しませんし。ですが、部活のスタッフに近い役割はあるかもしれません。運動会総務部は、運動部を含めた運動会全体のマネジメントをします。かつ、他大学や企業の方々ともやり取りを密にします。

私は運動会総務部に1年の4月から入部しました。中高共に文化部で、運動は苦手な方です。ちなみに、兄が大学入学後、男子ラクロス部に所属していたので運動会運動部の存在は前々から知っていました。自分も運動部に入って運動しようと思いましたが、運動が苦手であることを思い出したので諦めました。運動部のスタッフという選択肢もありましたが、「人が運動しているのを間近で見てるとウズウズしちゃいそう」という私自身の性分により、選びませんでした。

そんな中、新歓期のサークルオリエンテーション(様々な部活・サークルがブースを作って、新入生が自分で回って、サークルや部活について知り回る機会のこと)に知り合いの先輩に会って、喋っている中で、「見たい団体があれば、連れていくよ」と言われたので、私は「運動会総務部に行きたい」と伝え、ちょうどその先輩の知り合いに総務部の方がいたので、その方に連れて行ってもらいました。ですが、実は間違いで、私はもともと学園祭実行委員会(駒場祭委員会)に入りたかったのですが、何かの新歓ペーパーを見たせいで覚え間違えてしまい、運動会総務部と伝えてしまいました。もちろん、その方はそんなことを知る由もなく、運動会総務部のブースに連れていってくれました。ブースがある部屋に入ったら、学園祭実行委員会と同じ部屋だったようで、その瞬間、私は自分の間違いに気付き、すぐに「間違えました!私が行きたいのはこっち(学園祭実行委員会の方を指差しながら)です!」と言いましたが、総務部のブースにいる方々が、まぁ話だけでも、ってことで話を聞きました。話を聞いているうちに、運動をしなくても満遍なく運動部と関わることができる、しかも東大の運動会は運動部だけをターゲットとしていないので幅広く色々なことがやれる、と言われ、私は単純だったので楽しそう、と思ってその場で入部を決めました。即決でした。
つまり、私は間違えて総務部に入ってしまったのですが、今思えば良い間違え方をしたなと思います。様々な出会いもありましたし、コミュニケーション力が上がったと思います笑(ちなみに、学園祭実行委員会にも入りました。駒場祭委員会(2年生までの団体なので今はOGです)、五月祭常任委員会(今現在も継続)に入っています。)
  • 北海道大学、東北大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学の各々の体育会委員長、そして七大戦実行委員長との写真撮影(徐は右から二番目)

【時間の使い方(授業と部活の両立など)】
運動会総務部のいいところは、時間的束縛はほぼ無いことです。全体mtg(出席必須)は2週間に1度です。それ以外はイベントごとの出席などはありますが、基本はネット上でやり取りします。そのため、授業にも勿論出席出来るし、自分の時間もあります。どこかに旅行に行ったとしても、スマホさえあれば連絡は取れますし、指示は出せます。運動部に所属している人がほとんどなので、運動部に所属している人は、運動部との両立をしてもらっています。


【東大のいいところ】
多種多様な人がいます。また、勉強面以外で何かに特化した人が多いです。また、嫌味のない賢い人がたくさんいるので、勉強面でわからないことがあったら、同級生に聞けば解決します。


【東大の悪いところ】
強いて挙げるなら、すごい人が多すぎて自信喪失することだと思います笑
その分、自分が何かをして、その人たちに褒められた時はとても嬉しいです!


【卒業後の進路】
先ほども申し上げた通り、決めていないです。とりあえず4月から研究室に配属されるので、そこでの研究を頑張って、何か将来につながるようなものを見つけられたらと思います。加えて、運動会の業務や学園祭の業務、インターンやバイトをしながら様々なことを体験して知識として身につけていきたいと思います。
 

女子中高生へのメッセージ

昨今、高学歴女子や東京大学の女子について触れる内容の文章が世の中に多く出回っています。本当のこともあれば、本当ではないこともあります。いちばん大事なのは、「自分で考えること」だと思います。大学の学費を払ってくれるのはご両親の方々が大半だと思いますので、ご両親との相談もしながら、理由を明確にして自分の意見を伝えましょう。ご両親がなかなか自分の話を聞いてくれない、反対してくる、ということもあるかと思います。そんな時は、誰か一人でいいので自分の味方になってくれる大人を探しましょう。その大人に、ご両親を説得してもらうのも一つの手段でしょう。
大学選びは自分の将来のことなので自分で決めながらも、周囲からの助力は必須だと思います。慎重になることも大切ですが、時には大胆に攻めてみるのもありだと思います!