PRESS RELEASES

印刷

初の東京大学特別栄誉教授決まる記者発表

初の東京大学特別栄誉教授決まる

 東京大学は、「東京大学特別栄誉教授規程」(平成16年4月1日制定)により、初めて、本年1月1日付けで、次の4名の本学元教授に、「東京大学特別栄誉教授」の終身称号を授与した(五十音順)。

○安藤忠雄 63歳(元工学系研究科教授)
  建築学。本学において極めて優れた教育を実践し、さらに国内外における旺盛な設計活動のかたわら国際的社会的に大きな貢献をした。プリッカー賞、イギリス王立英国建築家協会ロイヤル・ゴールドメダル、フランス文学芸術勲章、アメリカ建築家協会ゴールドメダル、京都賞等を受賞している。

○小柴昌俊 78歳(元理学部教授)
  物理学。宇宙線の超新星起源を初めて指摘し、宇宙線による素粒子相互作用を解明し、ミュー中間子束の初めての組織的研究を遂行した。さらにカミオカンデ実験により、超新星から飛来するニュートリノを世界で初めて観測し、ニュートリノ天文学という新しい学問分野をきり開いた。ドイツ連邦共和国功労勲章大功労十字章、日本学士院賞、文化勲章、ノーベル物理学賞等を受賞している。

○戸塚洋二 62歳(元宇宙線研究所附属神岡宇宙素粒子研究施設教授)
  物理学。素粒子標準理論の確立に貢献し、小柴教授とともに太陽系外から飛来するニュートリノを世界で初めて観測し、ついで大気ニュートリノの研究から、ニュートリノに質量があり、ニュートリノ振動が起きている可能性を指摘し、さらにスーパーカミオカンデ実験により、ニュートリノに質量があるという最終結論を得るに至った。アメリカ天文学会ロッシ賞、ヨーロッパ物理学会特別賞、紫綬褒章、文化勲章等を受賞している。

○藤嶋 昭 62歳(元工学系研究科教授)
  化学。電気化学反応と光化学による水の光分解という基礎的現象を発見し、微弱光下の光触媒反応、光機能材料開発、光界面反応系開発、光電気化学的実験法開発等の分野で重要な成果をあげ、光触媒の化学分解による環境浄化、抗菌作用、親水化・セルフクリーニングによる機能建材等、さまざまな産業分野の発展をもたらした。日本学士院賞、内閣総理大臣賞等を受賞している。

  「東京大学特別栄誉教授」の称号は、「東京大学特別栄誉教授規程」(平成16年4月1日制定)・「東京大学特別栄誉教授規程運用要項」(同9月30日総長裁定)により、本学の現役教授で著しい功績等をあげた方、もしくは、本学の退職者で在職中の著しい功績等によって引き続き本学に対する貢献が見込まれる方に授与されるものであり、今回の授与が初めてである。称号は終身で、役員会の個別の決定により、一定期間、特別の手当が支給される。
  この称号は、東京大学における功績が全世界的に見ても特別に顕著であり、かつ、今後とも、東京大学と学問のさらなる発展のために活動し、発言していただけることが期待される方に授与されるものである。名誉教授の称号と異なり、在職年数などは要件になっておらず、現役の教授にも授与されることがありうる。しかも、厳選された極く少数の方のみが対象となる。
  選出は、関係部局長の推薦、総長による候補者の選考、教育研究評議会の審査と評決、役員会の議決という手続による。上記「運用要項」により、原則として初年度は5名以下、次年度以降は3名以下が授与される。
  本年3月までに本学において、4名の特別栄誉教授の表彰式が開催される予定である。

 

○東京大学特別栄誉教授規程(抄)

  (適用範囲)
第2条 東京大学特別栄誉教授と称することができる者は次に掲げるもので、部局長(東京大学基本組織規則(平成16年規則第1号)第3章及び第4章に掲げる組織をいう。)の推薦に基づき、教育研究評議会の審議を経て役員会が認めた者とする。
  (1) 東京大学教員の就業に関する規程(平成16年規則第16号)第2条第1号に規定する教授のうち、著しい功績等をあげた者
  (2) 本学を退職した者であって、在職中の著しい功績等によって引き続き本学に対する貢献が見込まれる者

 

○東京大学特別栄誉規程運用要項(抄)

2 総長は、推薦を受けた候補者の中から、特に適切と思われる者若干名(原則として、初年度は5名以下、次年度以降は3名以下とする。)について、教育研究評議会に審査を付託する。教育研究評議会は、審査を付託された者について審議し、各人について無記名投票による表決を行う。表決により出席者の3分の2以上の賛成を得た者を、特別栄誉教授の教育研究評議会原案とする。役員会は教育研究評議会原案に基づいて、特別栄誉教授の称号授与者を決定する。

アクセス・キャンパスマップ
閉じる
柏キャンパス
閉じる
本郷キャンパス
閉じる
駒場キャンパス
閉じる